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ノーベル生理学・医学賞に、京都大学特別教授の本庶佑氏が選ばれ注目される『がん治療における第4の治療法』

ファイナンシャルフィールド / 2018年10月27日 10時30分

ノーベル生理学・医学賞に、京都大学特別教授の本庶佑氏が選ばれ注目される『がん治療における第4の治療法』

今年のノーベル生理学・医学賞に、京都大学特別教授の本庶佑氏が選ばれました。免疫の働きを抑える分子を発見し、新たながん治療の道を拓いたということが受賞理由となっています。   その報道を受けて、がんの「免疫療法」が注目されています。がんは、治療が難しい病気ですが、治療法はいろいろあり、それだけに患者や家族を悩ませます。   「がんの3大治療」と言われているのは、手術(外科治療)、放射線治療、薬物療法(化学療法)です。薬物療法(化学療法)は、抗がん剤による治療が中心ですが、分子標的治療やホルモン療法(内分泌療法)も含めて説明されることもあります。   免疫療法も薬物療法に含めて説明されることがありますが、最近は“第4の治療法”と言われることもあります。  

気をつけたい“療法”

“第4の治療法”とも言われる免疫療法ですが、この治療法を検討する場合は、十分な注意が必要のようです。かなり幅広い意味で使われているからです。
私たちの体には、病原体を退治する免疫力がありますが、その力を利用してがん細胞を退治しようとするのが、免疫療法です。
ただ、すでに治療効果が実証されているものから、有効性が科学的に証明されていないものまで“免疫療法”として、医療現場で使われています。国立がん研究センターの一般向け情報サイト「がん情報サービス」では、「免疫療法(効果あり)」と「免疫療法(広義)」と言葉を使い分け、はっきりと区別しています。
「免疫療法(効果あり)」は、科学的に治療効果が証明されている治療法で、公的医療保険(健康保険、国民健康保険、共済組合など)の保険診療になっているものを指しています。本庶氏が道を拓いた「免疫チェックポイント阻害剤」もこれに該当します。
一方、「免疫療法(広義)」では、有効性が科学的に証明されていないものも含めて「免疫療法」と言われているものを指しています。公的医療保険の保険診療になっていないものは、「自由診療」となります。
今年のノーベル賞で、「免疫療法」が注目されることになりましたが、「免疫療法」と言われているものの中には、本庶氏が道を拓いた治療法とは全く関係のないものが多くあります。そしてその中には、有効性が科学的に証明されていないものも少なくない、ということに注意が必要です。
 

「自由診療」が対象のがん保険でも対象にならないことも

公的医療保険の対象になっている保険診療では、患者の自己負担は治療費の3割です(年齢、所得によって2割、1割負担もあります)。「先進医療」と認められたものは、その治療費については全額自己負担ですが、それ以外の一般的な診察や検査は3割負担です。
ところが、自由診療を受けた場合は、併用するすべての治療費が全額自己負担となります。それだけに、自由診療を受けると、医療費はかなり高額になります。
がんの治療費に備えるための「がん保険」。その多くは、「がんと診断されたとき」に「がん診断給付金」が支払われ、入院の日数に応じて「がん入院給付金」が支払われます。通院や先進医療にかかる費用も支払いの対象となっているものが多くなっています。
商品によっては、自由診療も含めてがん治療にかかった費用を支払うというものもあります。ただ、「保険会社が定めた医療機関で行われる治療」「欧米で承認された所定の抗がん剤・ホルモン剤」などとなっており、すべての治療が対象になっているわけではありません。有効性が科学的に証明されていない治療は、保険給付の対象とならない可能性が高いので、注意が必要です。
「免疫療法」というがん治療法が有名になりましたが、公的医療保険の対象となっていない治療法は、治療効果の面からも、費用の面からも十分な吟味が必要です。国立がん研究センターでは、担当医やがん診療連携拠点病院の「がん相談支援センター」に相談することを勧めています。
<参考サイト>国立がん研究センター「がん情報サービス」
Text:村井 英一(むらい えいいち)
国際公認投資アナリスト

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