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先輩に勝手に「タイムカード」を切られました。「3時間分サービス残業」になるのですがこれってブラックですよね?

ファイナンシャルフィールド / 2024年3月17日 2時0分

先輩に勝手に「タイムカード」を切られました。「3時間分サービス残業」になるのですがこれってブラックですよね?

普段働く中でサービス残業を行っている方も多いでしょう。とくにタイムカードを切ったあとに先輩社員から残業を指示されると断れず、無償で働く方もいます。しかし、サービス残業は企業にとっても労働者にとってもマイナスに働く可能性があります。   今回は、タイムカードを切ってサービス残業を行う際の具体的な金額や懸念点を紹介します。

1日に3時間サービス残業をするとどれくらい損をしている?

タイムカードを切ったあとに働くと、一般的に残業代が支払われません。その場合は給与面で大きな損をしている可能性が高いです。ここでは具体的なケースで金額を算出してみます。なお、厚生労働省 川崎北労働基準監督署によると、残業代(割増賃金)の計算は「1時間あたりの賃金額×(時間外労働・休日労働・または深夜労働を行わせた時間数」×割増率」で計算できるようです。
 
今回は1ヶ月の給与が20万円の方で想定します。労働時間が160時間の場合で残業時間が1日3時間、月に60時間のケースは下記のような計算です。なお、今回は18時以降に残業するものと想定し、「時間当たりの賃金×1.25×残業時間」の計算式を使用しています。

20万円÷160時間=1250円(1時間あたりの給与)
 
1250円×1.25×60時間=9万3750円(サービス残業でもらえていない残業代)

上記から9万3750円の働き損が発生しているといえます。この場合、月間の給与においておよそ半分の金額にのぼるため、いかにサービス残業で損をしているかが分かります。
 

タイムカードを切ったあとの残業は違法行為になる可能性が高い

そもそも、タイムカードを切ったあとの残業は違法行為にあたる可能性が高いでしょう。労働基準法の第119条によると、残業代を支払わなかった場合、使用者(雇用主)は6ヶ月以下の懲役刑または30万円以下の罰金に処する、とされています。
 
違法行為が会社規模で行われていることが発覚すると、企業イメージの低下にもつながるため、労働者と使用者ともに避けるべきといえるでしょう。
 

タイムカードを切った後に働くリスク

タイムカードを切ったあとに働くのは残業代が支払われない以外にも、さまざまなリスクがあります。ここでは2つのリスクを紹介します。
 

労働時間として認められず残業代の請求が難しい

タイムカードは労働時間を証明する役割があります。そのため、タイムカードを切ってしまった状態でサービス残業を証明するのはきわめて難しいでしょう。サービス残業を不服と捉えてさまざまな機関に訴えようとしても、証拠がない場合は支払いに進むのが難しいといえます。
 

労災時の認定が難しい

タイムカードを切ったあと、万が一けがや事故が起こっても労災認定を受けられない可能性があります。労災は通勤時間を含め、労働に含まれる時間に適用されますが、サービス残業の場合は証拠がないことから、判断が難しい可能性があるでしょう。
 
サービス残業は疲労感から思わぬ事故を起こしてしまう可能性があります。リスクを軽減するためにもサービス残業はなくした方がいいでしょう。
 

今日からできるサービス残業を減らす心がけ

ここではサービス残業を減らす、発生させないために心がけたい2つの取り組みを紹介します。
 

労務や人事に相談する

サービス残業を先輩や上司に強要されている場合は労務や人事など、管理を行う部署に相談しましょう。自分が所属する部署のみで行われるあしき慣習の場合は是正される可能性があります。
 

社内で解決しない場合は労働基準監督署に相談する

部署ではなく会社全体がサービス残業を行う慣習がある場合は、外部機関への相談を行います。例えば、労働基準監督署では自社のサービス残業が行われている事実を第三者目線で確認し、是正を目指せるでしょう。
 
ただし、相談すると会社規模で改善を行う大掛かりな取り組みになるため、場合によっては働きづらくなる可能性もあるので注意が必要です。
 

サービス残業はしかるべきところに相談しよう

上司にタイムカードを切られてしまうと断りにくいと感じる方もいるでしょう。しかし、サービス残業は条件によっては違法な行為であることから、勇気を持って相談するのがおすすめです。自分の貴重な時間を無駄にしないためにも改善への一歩を踏み出しましょう。
 

出典

厚生労働省 川崎北労働基準監督署 割増賃金の計算方法
デジタル庁e-Gov法令検索 昭和二十二年法律第四十九号 労働基準法 第百十九条
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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