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「年金では暮らせない」と思うから自分で老後のお金を準備したい。 確定拠出型年金に入るときのポイントとは?

ファイナンシャルフィールド / 2018年10月30日 10時0分

「年金では暮らせない」と思うから自分で老後のお金を準備したい。 確定拠出型年金に入るときのポイントとは?

以前も自分年金づくりのお話をさせていただきましたが、最近、企業の方から、老後の年金や退職金などについて聞かれることが増えました。公的年金は現役賃金の50~60%程度の代替率とされています。それでも、私が社会保険労務士としていわれることが多いのは、「年金では暮らせない」という言葉です。   自分年金として期待される改正が2018年5月1日にあり、確定拠出年金における運用の改善、中小企業向けの対策、確定拠出年金及び確定給付企業年金におけるポータビリティの拡充等が行われました。   確定拠出年金の加入者は今後も増加は続くでしょう。  

貯蓄から投資へ

すでに、少額投資非課税制度といわれるNISAやつみたてNISA、個人型の確定拠出年金、企業型の確定拠出年金など、長期投資を促すための制度は充実してきたといえます。それでも、その制度がうまく機能しているとはいえません。
これらの制度を顧客本位とするため、金融庁の意向で今年から成果指標(KPI)というものが公開されています。これは、顧客本位の業務運営をしているか、客観的に評価分析するための指標です。顧客が、販売業者を選ぶのを容易にするために、長期的にリスクや手数料等に見合ったリターンがどの程度生じているかを「見える化」する3つの指標を公表しているのです。
そのうちの一つ、「運用損益別顧客比率」を見てみると、金融機関29行の中で、半数強の顧客の運用損益率はプラスである一方、35%の顧客が-10%以上0%未満であるなど、半数弱の顧客の運用損益率はマイナスだそうです。これでは、投資をしても「無駄」と思われる人が多くなるのも当然でしょう。
 

確定拠出年金の加入で大事なこと

確定拠出年金はもともと、投資信託、預貯金、保険商品などの運用商品を選択したうえで、その運用結果に基づく年金を60歳以降に受け取る制度です。つまり、運用する「選択」をしないといけないのですが、投資が怖いからということで、リスクの低い、もしくは「選択しない」方もいます。
ただ、これでは確定拠出年金に加入する意味は全くありません。最初の投資がうまくいかなくても、「スイッチング」(預け替えすること)をすればよいのです。
よく、私たちFPも「卵は一つのかごに盛るな」というところから投資教育の話をさせていただきますが、リスクを分散することで、投資の効果は必ず出てきます。拠出した掛金は、脱退一時金など、一部例外はありますが、原則として60歳までは引き出すことはできません。
頻繁にスイッチングするのは、手数料のことを考えるとあまりお勧めできませんが、年に一度、財産目録を作り、自分の財産を見直しつつ、確定拠出年金の商品を選択し直すのもいいでしょう。
 

企業型確定拠出年金はここに注意

「選択性確定拠出年金」という企業型の確定拠出年金に加入している方もいるでしょう。この選択式確定拠出年金は、労働者に拠出金の額を「支払った」とはされません。支払うと「給与」とされ、社会保険料、労働保険料、税金の対象となるからです。
社会保険料の対象とならないということは、例えば、これまで30万円の給料の方が2万円を拠出するとなると、社会保険料の等級が30万円の等級から28万円の等級と、一つ等級が下がることになります。将来の公的年金が下がるという可能性があるということになります。
ただ、税金がかからない、そして、投資でリターンも見込めるということで、公的年金では実現できない、将来の自分年金を増やせる可能性は確かにあるのです。
私も、ファイナンシャルプランナーという仕事柄、多少の運用はしていますが、こまめにチェックするということは中々できていません。普段仕事で忙しい方はなおさらでしょう。そんなずぼらな方にでも、月々積み立てのように利用できる確定拠出年金は、手数料の高さなどいくつか問題はありますが、まずは自分で少しずつやってみるという姿勢が大事です。
「怖いから」と思わず、「少し損をしているから、やり直し」と投資対象を修正しながら長期戦で臨むといいでしょう。
Text:當舎 緑(とうしゃ みどり)
社会保険労務士。行政書士。CFP®。

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