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「オルカン」vs「S&P500」初心者はどっちがいいの? それぞれのメリットや注意点を解説

ファイナンシャルフィールド / 2024年3月20日 4時30分

「オルカン」vs「S&P500」初心者はどっちがいいの? それぞれのメリットや注意点を解説

通称「オルカン」と呼ばれる全世界株式と、S&P500はどちらも低コストで運用できる人気のインデックスファンドです。とはいえ、投資初心者であれば、両者の違いが分からず、どちらを買えばいいのか分からない人も多いのではないでしょうか。   本記事では、オルカンとS&P500のメリットや特徴、注意点を紹介しながら、投資する際に意識しておくべきことを解説します。

オルカンの特徴とメリット

オルカンとは「オール・カントリー」の略で、世界中の株式に投資できるインデックスファンドのことです。
 
日本は人口減少に陥っていますが、世界は人口増加等を背景に持続的な成長をしており、世界経済の成長とともに株価も推移してきました。そのため地域を限定しない世界の株式へ投資をすることで、世界経済の成長による恩恵を享受できるのがメリットといえるでしょう。
 

オルカンの注意点

とはいえ、オルカンといえども「世界中に均等に投資しているわけではない」ということは注意しておきましょう。2023年12月29日時点の国別配分比率は、アメリカが約6割を占めており、新興国の割合は2割にも満たない現状となっています。
 
このように配分比率が傾いている理由としては、世界には政治情勢や経済状況が不安定な国が多いことが挙げられます。仮に全ての新興国や発展途上国を加えれば、リスクが上昇して平均的なリターンが減ることが考えられるでしょう。
 
そのため「オール・カントリー」という名前が付いていても、投資対象国は一定の国に集まっていることは意識しておいてください。
 

S&P500の特徴とメリット

S&P500とは米国大型株の動向を示す株価指数のことで、米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしています。また時価総額の大きさに合わせて銘柄ごとのウエイトが異なる方法で算出されるため、時価総額の大きな銘柄の影響を受けやすいのが特徴です。
 
S&P500のメリットとしては、アメリカの代用的な500社を1つの銘柄で分散投資できるのが大きなメリットです。構成銘柄も多いため、米国株式市場全体の動向をより正確に把握することもできます。
 

S&P500の注意点

市場動向に連動するS&P500は米国株式市場全体の動きとリンクしているため、米国経済や政治情勢の影響を大きく受けることがあります。そのため市場が混乱した場合はインデックスファンドといえども大きな値下がりリスクがある点は注意が必要です。
 

初心者が投資する前に意識しておきたいこと

オルカンとS&P500で迷う人もいるかと思いますが、どちらにもリスクがあることは意識しておいてください。
 
筆者の意見としては、世界全体で国内総生産(GDP)の4分の1を占めるアメリカ経済が傾けば多くの国が影響を受けるため、オルカンとS&P500の間で大きな差が生まれるとは考えにくいでしょう。
 
どちらを選ぶかよりも大切なのは、「自分が一体どのような銘柄に投資をしているのか」を理解しておくことです。「人に勧められたからなんとなく始めた」「銘柄の特徴や過去の値動きなども考えずに買い始めた」といった人であれば、株価が急落した時に投資を辞めてしまうのではないでしょうか。
 
インデックス投資を始めたら、短期的な値動きに一喜一憂せず、長期的な視点を持つことも大切です。オルカンであれS&P500であれ、長期投資をすれば良いときも悪いときも数多く経験するものです。
 
そのため、どちらの銘柄を選んだにせよ、「投資商品の特徴を理解しておく」「長期的な視点を持っておく」「短期の値動きに一喜一憂しない」という点をあらかじめ意識しておくようにしましょう。
 

出典

日本経済新聞 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)国別分配比率(2023年12月29日現在)
 
執筆者:山本峻
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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