職場では「飲み会」への参加率が低いと、仕事の評価を下げられます。これって「不当」ではないのでしょうか? せめて「残業代」を出してほしいです
ファイナンシャルフィールド / 2024年3月29日 2時10分
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会社の飲み会で交流を深める、いわゆる「飲みニケーション」は上司や部下の関係を良好にさせる場になることもあります。しかし、強引な飲みニケーションは時にハラスメントとなる可能性もあり、注意が必要です。 飲み会の参加率が悪いと評価が下げられる、といったケースは本当に評価を下げられるのか気になる人は多いでしょう。また、強制参加の飲み会は残業代が発生する可能性があるというのは本当なのでしょうか? そこで本記事では、会社の飲み会の参加率が低いことを理由に評価を下げられることは許されるのかについて解説するとともに、強制参加の飲み会に参加する場合に残業代が発生するのかについても紹介していきます。
会社の飲み会を理由に評価を下げられるのはハラスメント行為にあたる可能性
職場におけるパワーハラスメント行為について、労働施策総合推進法では次の3つの要素をすべて満たすとパワーハラスメントに該当すると定めています。
・優越的な関係を利用した言動
・業務上の必要かつ相当な範囲を逸脱している
・労働者の就業環境に害がある
これを事例にあてはめてみると、「上司という立場を利用した言動」であり、「業務とは関係のない飲み会にほぼ強制的に参加させようとしている」、そして「飲み会の参加率が低いと評価を下げられる」といった労働者に害のある状況になっているので、3つの要素を満たしているといえそうです。
そのため、本事例ではパワーハラスメント事案と認められ、労働施策総合推進法違反となります。参加できない、もしくは参加したくない飲み会であれば「参加しない」選択をしても不利益な扱いはされません。
残業とはどのような場合か?
強制参加の飲み会が「残業」にあたる場合は、残業代が支払われることになります。ここでの残業とは、所定労働時間を超えて労働することです。つまり、強制参加の飲み会が「労働時間」にあたれば、定時時間を超えて行われる飲み会の参加により残業代が発生します。
そもそも労働時間とは、「使用者の指揮命令下に置かれている時間」で、「使用者の指示により労働者が業務に従事する時間」のことを指します。この際の使用者の指示は明示される必要はなく、黙示の指示も対象です。
強制参加の飲み会は残業とみなされる可能性もある
強制参加の飲み会は、使用者に参加が強制されているので「使用者の指揮命令下に置かれている時間」といえるでしょう。また、飲み会が業務にあたるのかは難しいところですが、仕事の話をしたり、仕事の評価につながったりするのであれば業務として認められる可能性があります。
このことから、強制参加の飲み会は残業とみなされる可能性もありそうです。もっとも、現実的には飲み会の参加が労働時間とみなされるためには、ボイスレコーダーによる上司の発言の録音や人事評価にどれだけ影響があるのかを示す資料を提示する必要があるでしょう。
強制参加の飲み会への不参加による不利益な扱いは、ハラスメントに当てはまる可能性
飲み会の参加率が低いなどといった理由で仕事の評価が下げられることは、労働施策総合推進法の違反となり、認められていません。
また、強制参加の飲み会は残業とみなされる可能性もあります。しかし、現実的には残業とみなされるためには上司の言動の録音や人事評価が下げられることがわかる資料が必要です。残業とみなされるためにはハードルが高いことを知っておきましょう。
出典
厚生労働省 職場におけるパワーハラスメント対策が事業主の義務になりました!
厚生労働省 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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