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【実録】「そんなに長く取るの?」10ヶ月の育児休業を取得した30代男性社員を退職に追い込んだ、「イクボス宣言企業」の些細な言動とは? 企業は退職を防ぐためにどうすれば良かったのか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年3月30日 4時30分

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仕事と育児を両立させたいと考える男性は増えています。10ヶ月の育児休業を取得した30代会社員のAさんもその1人でしたが、Aさんは育児休業復帰直後に退職を選択しました。   Aさんの会社は「育児」と「ボス」を組み合わせた用語を用いた「イクボス宣言」もしていましたが、Aさんは育休取得前後にあった会社からのささいな言動から、会社への信頼を完全になくしてしまったそうです。   本記事では、Aさんを退職に追い込んだイクボス宣言企業のささいな言動や対応と、その対応策を紹介します。

男性初の長期育児休業だったが……

Aさんは社内の男性では初めての長期育児休業取得者でした。育児休業取得前から会社はイクボス宣言をしており、「仕事と育児の両立支援をしていく」と社長は話していたそうです。
 
しかしAさんが実際に1年の育児休業取得の希望を伝えると、当時の人事部長から「そんなに長く取るの?」と言われたそうです。
 
Aさんは「男性社員では初めての取得だから、そういう言葉が出るのも仕方がない」と考えながら、同僚への負担を軽くする策を上司と相談し、出産直後に6週間の育児休業を取得して2ヶ月間、職場復帰した後に再度8ヶ月の育児休業を取得することにしました。
 

予防接種会社負担OKからNGへの変更

Aさんの会社では、インフルエンザの予防接種が毎年会社負担で受けられる制度があります。育児休業中のAさんにも会社から「通常通り予防接種して構わない」と、会社が負担する旨の連絡が来ていたそうです。子どもがいるAさんは予防接種を受け、会社に精算方法を聞こうとすると会社側の態度は急変しました。
 
何と「育児休業中の社員には予防接種の会社負担を認めない」と言ってきたのです。
 
会社側の言い分は「社内での集団感染を防ぐのが予防接種の目的」ということで、育休中の社員はそれに該当しないとのことで、「予防接種しても構わない」と伝えたのは会社側のミスのようでした。
 
Aさんは、会社の接種費用の負担に関する言い分にも十分な理があると考えました。ただ、「予防接種してもよい」と聞いていたことに加え、従業員数500人程度の会社で数人しかいない育児休業中の社員の予防接種の費用を負担しない会社の姿勢に少しモヤっとしたそうです。
 

復帰前面談が実施されなかった

育児休業が残り1ヶ月となり、Aさんは復帰前面談の日程相談のため会社に連絡しました。しかし会社からは「女性社員は体調の問題などのため実施しているが、男性の場合は不要なので復帰前面談は実施しない」との返答があったそうです。
 
Aさんは「この瞬間に会社に失望した」そうです。「男性初の長期育児休業社員で、イクボス宣言をして『仕事と育児の両立推進』を掲げていた会社として聞きたいことがあるのではないか?」Aさんはそう考えていましたが、会社からは全くそういう要望はなかったのです。
 

Aさんの退職を防ぐにはどうすれば良かったのか?

結局Aさんは育児休業から復帰して2ヶ月で退職しました。「この会社では仕事と育児の両立に励んでも、評価されないだろう」と考えたからです。今回のケースでは、会社の行為が嫌がらせには当たらないとAさんも認識しています。
 
しかしAさんは「そんなに長く取るの?」という言葉や、復帰前面談の未実施の理由を伝える言葉など、仮に女性相手であれば決して言われなかった言動、行為が数多くあり、そのような発言を無意識にする上司や役員がいる会社では働きたくないと考え、退職に踏み切ったそうです。
 
会社側の立場になって考えてみると、育児休業を取得したいと言ってきた男性社員に対して「この発言は相手が女性社員でも言うか?」と考えるだけでも、無意識な思い込みに気づくことができます。
 
従業員の退職や信頼を損なう危険性を回避するためにも、会社が男性の育児休暇取得に際し、十分に配慮する必要があるといえるでしょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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