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扶養内の「年収130万円」未満で働きたいのに、時給が上がったので勤務時間を減らしました。「2025年には扶養がなくなる」とも聞きますし、今から「年収200万円」稼ぐべきでしょうか…?

ファイナンシャルフィールド / 2024年3月30日 2時10分

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政府は増え続ける社会保障費を確保しようと、「年収の壁」対策を進めています。   しかし、現状は物価高騰による賃金アップに年収の壁が対応できておらず、時給が上がったにもかかわらず、年収130万円未満の扶養内でいるため、「労働時間を減らす→働く時間が減る→業務量は変わらず激務になる」という構図になっている人もいるでしょう。   本記事ではそんな働き方を変えようと、扶養を外れることを検討している人を取り上げます。扶養を外れた後は年収200万円くらいを稼げればと考えているようですが、果たして社会保険料を支払った後の手取りはいくらくらいになるのでしょうか。

年収130万円未満の扶養とは

年収130万円未満であれば社会保険の扶養に入ることができ、社会保険料の負担はありません。なお、扶養する人(本ケースでは配偶者とする)の社会保険料は2人分になると思われがちですが、保険料は扶養する人本人分のみで、被扶養者が何人いようと変わりません。
 
また、年収130万円未満であれば税金の扶養にも該当し、扶養する配偶者側の税金計算において「配偶者特別控除」を受けられます。
 

なぜ時給アップで激務になるのか

「時給アップ=激務」になる理由の一つには、扶養でいられる年収の上限が変わっていないことが挙げられます。例えば、これまでは時給1000円で1日5時間、月20日出勤して年収130万円弱稼いでいたとします。
 
しかし、その時給が1100円にアップした場合、同じ時間働いていては、年収130万円を超えてしまいますね。そのため、働く時間を減らすようになるでしょう。
 
時給が上がっても年収130万円弱を維持するため、単純に働く時間とともに、業務量も減らしてもらえればよいのですが、仕事によっては同じ業務量をこなさなければならない場合もあるでしょう。となると、「給料は同じ、働く時間は減、時間当たりの業務量増」になってしまいます。
 

年収200万円の手取りは160万円ほど

「こんなに忙しいのに、年収が変わらないなんて損!」と考え、扶養を外れる決心をするのもうなずけます。ただ、これまで引かれていなかった社会保険料を負担した上での手取りが気になるところです。
 
それでは、年収200万円の手取りを計算してみましょう。所得控除は、社会保険料控除と基礎控除48万円(住民税は43万円)のみと仮定します。なお、東京都在住で40歳以上64歳未満の介護保険第2号被保険者に該当するケースで試算します。
 

【社会保険料】
(健康保険料9843円+厚生年金保険料1万5555円)×12ヶ月=30万4776円
 
【所得税】
(年収200万円-給与所得控除68万円-社会保険料控除約30万円-基礎控除48万円)×5%=2万7000円
 
【住民税】
(年収200万円-給与所得控除68万円-社会保険料控除約30万円-基礎控除43万円}×10%+均等割5000円=6万4000円

 
年収200万円の手取りは、社会保険料約30万円と税金約9万円を差し引いた約161万円となりました。年収は130万円弱から70万円増えますが、手取りは30万円程しか増えない点は残念に感じるかもしれません。
 
しかし、月3万円近い手取り収入のアップは大きいのではないでしょうか。また、自身で社会保険料を負担することで傷病手当金などの保障を受けられるようになり、将来の年金受給額も増える点にも目を向けましょう。
 

見落としがち! 配偶者側も約5万円の増税

年収200万円になると、社会保険の扶養を外れるのはもちろんのこと、扶養する配偶者が受けられていた「配偶者特別控除」も38万円から3万円(住民税は33万円から3万円)に減額されます。配偶者の所得税率が10%とすると、所得税と住民税合わせて約5万円の増税になります。
 

まとめ

年収200万円の手取りは約160万円です。社会保険料の負担は大きいですが、その裏には手厚い社会保障と、年金受給額のアップを手に入れていることも知っておきましょう。
 
あとは、扶養を外れることによる配偶者の増税、配偶者の会社から支給されている「扶養手当」や「家族手当」がある場合には、金額が変動する可能性についても知っておく必要があります。
 

出典

全国健康保険協会 被扶養者とは?
全国健康保険協会 令和6年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表
国税庁 No.1410 給与所得控除
東京都主税局 個人住民税
国税庁 家族と税
 
執筆者:佐々木咲
2級FP技能士

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