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共働き家庭で夫が亡くなったら、死亡保険金はいくら必要? ねんきん定期便を使った計算方法とは

ファイナンシャルフィールド / 2018年11月7日 22時45分

共働き家庭で夫が亡くなったら、死亡保険金はいくら必要? ねんきん定期便を使った計算方法とは

一家の大黒柱に万一のことがあった場合に備え、死亡保険を契約する方は多いと思います。しかし、その際、死亡保険金をいくらに設定するのが適正なのか、疑問を抱く方もいることでしょう。   この金額が適正になっていないと、のちのち保険を見直すことになります。この金額は、ねんきん定期便やシミュレーションソフトを使って、自分で計算することができますから、これから保険に入る方や見直しを検討されている方は、計算してみてはいかがでしょうか。  

保険金設定の考え方

今回の保険金設定の考え方は、以下の4つの条件を前提としています。
・ 一家の大黒柱は、夫
・ 夫は厚生年金に加入している会社員
・ 妻は30歳以上65歳未満
・ 妻の年収は850万未満
保険でカバーすべき金額は、今後の収入だけでは不足する金額です。夫に万一のことがあった場合、国から遺族年金がおります。会社から死亡退職金が支給されるケースもありますし、妻が働いていれば、妻の収入もあります。
保険でカバーすべき金額は、それら収入合計から支出を差し引き、マイナスになった金額です。
 

万一の場合の収入額をねんきん定期便から計算する【簡易版】

では、収入額を明らかにするため、まずはねんきん定期便を使って遺族年金を計算します。遺族年金は、遺族厚生年金と遺族基礎年金の2種類があります。計算が必要なのは、遺族厚生年金です。
用意するものは、紙と鉛筆、計算機と夫のねんきん定期便です。まず、年金定期便で見るべき箇所は2箇所、赤枠のAとBです。
・50歳未満の方のねんきん定期便
 

・50歳以上の方のねんきん定期便
 

日本年金機構HPより
では、計算しましょう。
Aが300ヶ月以上の場合
・ 遺族厚生年金額=B×3/4
Aが300ヶ月未満の場合
・ 遺族厚生年金額=B÷A×300ヶ月×3/4
これで、遺族厚生年金の金額がわかりました。
 

遺族基礎年金を計算する

次に遺族基礎年金です。遺族基礎年金の年金額は約78万円(平成30年度)です。しかし、誰でももらえるわけではなく、支給要件があります。
支給されるのは、18歳以下の子(18歳になってから3月31日を迎えていない子)、あるいは20歳未満で障害等級1、2級の障害者がいる妻です。
子どもの数によって加算金額が変わり、子ども2人までは、1人あたり約22万円、3人目以降は7万5千円が78万円に加算されます。ですから、たとえば、15歳と13歳の子どもがいる妻は、
78万円+22万円×2=122万8,600円
年間約123万円の遺族年金が支給されるということです。
ただし、上記条件を満たす子どもがいない妻でも、夫死亡時、妻が40歳以上であれば、40歳から65歳まで約58万円(平成30年度)が支給される中高齢寡婦加算という遺族厚生年金の制度があります。
つまり、支給される遺族年金は、
*子がいる妻
遺族年金=遺族厚生年金+遺族基礎年金
*子がいない妻
遺族年金=遺族厚生年金+中高齢寡婦加算
という計算式で求められます。
遺族年金は、1年あたりの金額ですから、わかりやすく考えるため、12で割って1ヵ月あたりの金額にしておきましょう。もし、妻に収入があれば、1ヵ月あたりの手取り金額も遺族年金に加算してください。それが、夫死亡後の1ヵ月あたりの家計収入です。
 

保険金設定額を計算する

遺族年金に加えて、毎月あといくらあれば生活できそうですか? もし5万円必要ということであれば、
5万円×12ヶ月×必要年数
(必要年数の考え方:自分が年金をもらうまで、あるいは、子どもが独立するまでなど)が必要保障額、つまり、設定すべき保険金の金額になります。
もし、会社から死亡退職金が支給されるのなら、上記の金額から死亡退職金を差し引いておきましょう。このように、大まかな必要保障額は手計算で計算できます。
 

万一の場合の収入額をライフプランソフトから計算する【詳細版】

前述の計算方法は、現状の遺族年金額が続くものとして計算しています。子どもが18歳を越えると遺族基礎年金は支給停止になりますし、教育費など大きな金額は加味していません。
より精度の高い必要保障額を計算するのであれば、ライフプランソフトを利用してみましょう。ライフプランソフトで必要な情報を入力すれば、教育費や遺族年金の金額の変化もすべてソフトが計算してくれます。
たとえば、Financial Teacher Systemというソフトは、オンライン上で無料で利用できるライフプランソフトです。
必要保障額の計算で、下記のような分析が可能です。
 

入力に少し時間はかかりますが、信頼性のある数字を出してくれます。保険加入を考えている方、見直し検討の方は一度試してみると、納得できる保険に加入できるでしょうし、もしかしたら、保険は不要と分かるかもしれません。
保険金設定は、保険を契約するにあたり重要なプロセスですから、根拠のある金額を設定しておきましょう。それが保険本来のあるべき姿です。
Text:前田 菜緒(まえだ なお)
CFP(R)認定者
 

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