「老後破産」を防ぐ方法はある? 定年前後で実施できる対策とは
ファイナンシャルフィールド / 2024年4月5日 11時0分
![「老後破産」を防ぐ方法はある? 定年前後で実施できる対策とは](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_283733_0-small.jpg)
老後破産とは、定年後の生活において、収入よりも支出のほうが大きくなり、生活が困難になる状態です。働かずに年金だけで生活する場合、老後の生活資金が不足し、老後破産してしまう可能性があります。 今回は、老後破産の原因や老後破産を防ぐためにできる対策を解説します。
老後破産の原因として考えられること
老後破産の原因としては、以下のものが考えられます。
●十分な貯蓄がない
●老後に収入が見込めない
●いざというときに頼れる家族がいない
そのような状態で、働いているときと同じ生活水準のままの支出を続けてしまうと、収入が支出を上回ってしまい生活が苦しくなります。さらに、突発的に必要となる可能性のある医療費や介護費用の支払いも困難になるでしょう。
老後受け取れる年金の種類と受給額
老後に受け取れる年金には、国民年金と厚生年金の2つがあります。国民年金は、原則65歳になればどなたでも受給可能です。
しかし厚生年金は、厚生年金保険に加入していた会社員や公務員の方に支給されるもので、厚生年金保険に加入していない個人事業主やフリーランスの方には支給されません。1ヶ月の国民年金と厚生年金の平均受給額は、表1の通りです。
表1
国民年金 | 厚生年金(国民年金も含む) | |
---|---|---|
2019年(令和元年) | 5万6049円 | 6万6574 円 |
2020年(令和2年) | 5万6358円 | 6万6934 円 |
2021年(令和3年) | 5万6479円 | 6万8618 円 |
2022年(令和4年) | 5万6428円 | 6万9612 円 |
※厚生労働省年金局「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」を基に筆者作成
国民年金と厚生年金を合わせると、令和4年の場合平均12万6040円の年金が受給できることが分かります。しかし、個人事業主やフリーランスの方は国民年金しか受給できないため、5万5000円程度の年金しか受給できません。
総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編 )2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯で1ヶ月にかかる生活費(消費支出と非消費支出)の平均額は15万7673円です。そのため、国民年金と厚生年金を合わせて3万円程度の不足金が発生する計算となります。
老後破産を防ぐ方法
老後破産を防ぐために、定年前と定年後の両方で、老後生活に備えての対策が重要です。
定年前にできる対策には、老後資金を見据えた毎月の貯蓄やiDeCo・NISAなどの投資、民間の個人年金保険への加入などが考えられます。
定年後は、収入と支出の見直しを必ず行いましょう。また、年金を受給しながら再雇用やアルバイトをするという方法もあります。
さまざまな対策を講じても生活が厳しい際は、生活保護を受給する方法もありますが、老後破産の場合でも受給できない可能性があるため、注意が必要です。
事前に対策することで「老後破産」を防げる可能性がある
老後生活において、年金以外の収入や十分な貯蓄がない場合や、援助してもらえる家族がいない場合、老後破産する可能性があります。
現役世代から、あらかじめ老後に必要になる資金を考え、定年後も収支の把握や節約などのできる対策を心がけましょう。
出典
厚生労働省年金局 令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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