農家ですが、今年の「地震」で家と畑が「大きな被害」に…利用できる税金の優遇処置はありますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年4月7日 2時0分
地震大国とも呼ばれる日本では、地震による被害を受ける可能性は十分考えられます。 もし地震をはじめとする災害により住宅や家財といった資産に被害を受けた場合は、所得控除である雑損控除や、災害減免法による所得税の減免措置の利用が可能です。 ただし、併用はできないため、どちらにも条件が該当している場合は、自分にとって有利なほうを選択しましょう。 今回は、地震などの災害で被害を受けた場合に利用できる税金の優遇措置についてご紹介します。
災害で被害を受けたときに利用できる控除
地震や火事、津波などが発生すると、大きな被害を受ける可能性も少なくありません。
災害により財産を失うなどの被害を受けた方は、国から控除を受けられるケースがあります。
受けられる控除制度はおもに2種類で「雑損控除」と「災害減免法による所得税の減免」のどちらかです。
それぞれ内容や条件が少し異なるので、申請する際はどちらを適用するのか確認しておきましょう。
雑損控除
雑損控除は、災害や横領、盗難などを原因として資産が被害を受けたときに利用できる所得控除です。
以下の原因で被害を受けた場合に、雑損控除が適用されます。
●火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害
●害虫などの生物による異常な災害
●盗難
●横領
※出典:国税庁「No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)」
また、被害を受けた資産のすべてが対象となるわけではありません。
被害を受けた資産の所有者が納税者本人か、納税者と生計を同じくするパートナーや親族でその年の総所得金額等が48万円以下の方である必要があります。
さらに、棚卸資産や事業用固定資産、日常生活に必要のない資産は雑損控除の対象外です。
日常生活に必要のない資産とは、趣味、娯楽、保養または鑑賞の目的で保有する別荘などの不動産のほか、宝石や骨とう品といった1つの価値が30万円を超えるものをいいます。
災害減免法による所得税の減免
地震や津波などの災害によって住宅や家財に被害を受けた場合、災害減免法により所得税の減免措置が適用されます。
認められる災害の範囲は雑損控除とは異なり、地震や風害、水害、火災などです。
また、住宅や家財の被害額が2分の1以上、かつ被害を受けた年の所得が1000万円以下の場合に申請できます。
さらに、災害減免法の所得税の減免が適用される住宅や家財は、以下の条件どちらにも該当するものでなければなりません。
●日常生活を送る住宅や日常生活に必要な家具、じゅう器、衣服、書籍やそのほかの家庭用動産である
別荘や骨とう品、娯楽品などで日常生活に必要な範囲を超えるものは対象にならない点に注意しましょう。
控除される金額
雑損控除を利用した場合の控除額は、以下の2つの式で求めた金額のうち多いほうが適用されます。
2.(災害関連支出の金額-被害により受け取った保険金などの金額)-5万円
一方、災害減免法による所得税の減免額は表1のとおりです。
表1
所得額 | 所得税の減免額 |
---|---|
500万円以下 | 全額免除 |
500万円超~750万円以下 | 2分の1 |
750万円超~1000万円以下 | 4分の1 |
※国税庁「No.8004 災害を受けたときの所得税の取扱い」を基に筆者作成
国税庁によると、税金の優遇措置の併用はできませんが、納税者にとって有利なほうの制度を選択できるとされています。
どちらにも条件が該当する場合は、一度計算してみて有利なほうを申請しましょう。
災害で被害を受けたら税金の控除や減免措置を受けられるケースがある
もし地震などで被害を受けた場合は、条件に該当していれば所得控除や所得税の減免措置が受けられます。
どちらの制度を利用するかは、自身にとって有利なほうを選ぶようにしましょう。
なお、片方しか条件に該当しなかった場合は、該当しているほうの制度しか利用できません。
必ずしも地震で被害を受けたら両方の優遇措置を利用できるわけではないので、注意が必要です。
出典
国税庁 No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)
国税庁 No.8004 災害を受けたときの所得税の取扱い
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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