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被相続人に婚姻外の女性との間に「認知済みの子」が存在した! この子の相続分ってどうなるの?

ファイナンシャルフィールド / 2018年11月10日 9時0分

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被相続人(亡くなった人)に、婚姻外の女性との間に「認知済みの子」が存在したという事実が相続時に発覚することがあります。   さて、この認知済みの子の相続分はどうなるのでしょうか。  

Eさんの相続分は?

被相続人であるAさんには、妻のBさんとその間に生まれたCさんがいました。
Bさんは既に亡くなっており、Cさんは自分1人が相続人となると思っていました。
ところが、Aさんには「婚姻関係にないDさん」との間にもEさんという子がおり、その子を認知していたことが発覚しました。
この場合、Eさんは相続人となることができるのでしょうか。
 

嫡出子と非嫡出子

まず、CさんはAさんの子であり当然に相続人となります。(民法887条1項)
また、EさんはCさんと母親を異にするとはいえAさんから認知されている子であり、Cさんと同様に相続人となります。つまり、先の問いの答えとしては「Eさんも相続人となることができる」となるのです。
ただ、Cさんは婚姻関係にあるAさんとBさんの間に生まれている反面、Eさんは認知を受けてはいるものの、婚姻関係にないAさんとDさんとの間に生まれています。このように、婚姻中の男女から生まれた子(Cさん)を嫡出子(ちゃくしゅつし)といい、婚姻関係にない男女の間に生まれた子(Eさん)を嫡出でない子(非嫡出子)といいます。
さて、嫡出子であるCさんと非嫡出子であるEさんとの間における具体的な相続割合はどう計算されるのでしょうか。

嫡出子と非嫡出子の相続分に違いはありません

結論として、今回の事例におけるCさんとEさんの相続割合は同等であり、各自2分の1ずつ相続することになります。
その根拠は民法900条4項にあります。
 

民法900条4項

子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。
相続分について定める上記の条文には嫡出子と非嫡出子による違いを設けていません。
以前は非嫡出子の相続分を嫡出子の2分の1とするという文言が規定されていましたが、「平成13年7月1日以後において、当該規定は合理的な根拠のない差別的取り扱いである」といった旨の最高裁判所の判決を受け、削除されました。
実際に上記文言が条文上から削除されたのは平成25年12月11日でしたが、実務上においては、平成25年9月5日以後に開始した相続から、嫡出子と非嫡出子の相続割合について同等であるとして運用されてきました。
上記最高裁判所の見解により、平成13年7月1日以後の相続において、いまだ確定していない遺産分割など一定の場合においても、当該文言の削除された法律(嫡出子と非嫡出子の相続割合について同等)が適用される可能性があることに注意してください。
このような理由により、嫡出子であるCさんと非嫡出子であるEさんの相続分は同一割合となり、今回の事例においては2分の1ずつ相続するという結論になるのです。
また、今回の事例におけるEさんは、Aさんによって認知されていました。
万が一、認知されていなかった場合、Eさんが事実上Aさんの子であったとしても、法律上親子関係は発生せず、相続人とはなりません。(民法779条、784条)
 

相続分の計算において嫡出子であるか否かは関係がありません

かつては、嫡出子であるか非嫡出子であるかによって相続割合が変化していましたが、現行法の下では両者に差はありません。
ただし、非嫡出子が父親の相続人となるためには認知が必要となります。認知されていない場合、法律上の親子関係が発生せず相続もできないことに注意しておいてください。
Text:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士

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