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隣人の「迷惑行為」を大家さんに訴えていますが、何もしてくれません…「引っ越し代金」を請求できますか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年4月13日 3時30分

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マンションやアパートなどの集合住宅には、生活スタイルや価値観の異なる人が住んでいます。   そのため、住民間でトラブルになることもあるでしょう。   トラブルの原因は、騒音やゴミの出し方、悪臭、ルールを守らないなどさまざまです。   今回は、隣人の迷惑行為を貸主(大家)に訴えても動いてくれない場合、引っ越し代金を請求できる可能性はあるのかについて考えてみました。

貸主(大家)の義務とは

民法601条で貸主は、借り主から賃料を受け取るかわりに、賃貸物を使用収益させる義務があるとされています。
 
使用収益とは「ものを直接利用して利益および利便を得ること」です。
 
したがって、賃貸住宅の賃貸借契約を結んだ以上は、貸主には借り主が使用収益できるよう配慮する義務があるとされています。
 
貸主が住居として使用収益させる義務があるにもかかわらず、トラブルの訴えを放置することは、義務を果たしているとはいえない可能性があります。
 
使用収益の観点からみると、貸主は入居者にとって安全な住まいを提供する必要があるといえるでしょう。
 
そのため貸主は、物件に破損や故障があれば修繕したり、不具合があれば借り主に伝えたりする必要があります。
 

引っ越し代金は請求できる?

隣人の迷惑行為に対し、貸主が何も対応してくれなかったことで引っ越すことになった場合、引っ越し代金を請求できるかどうかは、状況によります。
 
貸主が使用収益や告知の義務を明らかに怠っている、あるいは迷惑行為により、借り主の生活に支障があると認められると、請求できる可能性があるといえるでしょう。
 

貸主の怠りが認められる必要がある

貸主は、物件を借り主が快適に住めるように維持しなければなりません。
 
今回のケースのように、隣人の迷惑行為についての訴えがあった場合、貸主はトラブルについて確認を行い、原因となっている住民へ注意喚起し、解決へと導く対処が必要でしょう。
 
貸主が住民の訴えを聞いていたのに、適切な対処をしないなど貸主としての義務を果たしていないとされた場合は、それを理由に引っ越し代金を請求できるかもしれません。
 
また、賃貸借契約書や規定において「快適な居住環境を提供すること」について明記されている場合、これを怠っているとして貸主の契約違反が認められる可能性があります。
 
そのほか、貸主が隣人のする迷惑行為を知っていたのに、適切な対応を怠ったことで借り主が精神的苦痛を受けたり、生活に著しい支障をきたしたと認められたりした場合にも、請求できる可能性があるでしょう。
 
ただし、こうした例は「限度を超えている」または「居住に適していない状態になっている」と認められる場合です。
 
限度を超えているかは、どうしても引っ越さなければならないほどの被害なのか、などの事情を考慮して判断されることになるでしょう。
 

大家の管理不行き届きが認められれば、引っ越し費用を請求できる可能性もある

貸主が何もしてくれないために引っ越しを余儀なくされても、引っ越し代金の請求が認められるかどうかは、状況や事例、契約時の内容などにより変わってくるでしょう。
 
訴訟になると時間も費用も必要となるため、まずは貸主(大家)や管理会社としっかり話し合うことをおすすめします。
 
引っ越す前に、自治体などが開設している相談窓口や法律相談などを利用して、専門家の意見を聞くことも一つの方法です。
 
その場合は隣人の迷惑行為と自分の対応(貸主への通知や対処を求めた記録など)の証拠を収集しておくと役に立つでしょう。
 

出典

デジタル庁 e-GOV法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号)第六百一条
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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