老後資金の不安は「不足額を知る」ことで解決できる!? 不足額を知ったらどうすればいい?
ファイナンシャルフィールド / 2024年4月13日 2時0分
![老後資金の不安は「不足額を知る」ことで解決できる!? 不足額を知ったらどうすればいい?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_285416_0-small.jpg)
一時期、老後2000万円問題が話題となりましたが、いまだに「老後資金は2000万円必要ですか」と質問されることがあります。老後資金がいくら必要かは、人それぞれであるため分かりません。老後資金がいくら必要かを知るために必要なのは、「不足額を知る」ことです。 そこで今回は、老後資金の不安解消のために「不足額を知る方法」をお伝えします。
老後とは?
老後資金が不安だなと思うとき、「老後」とは何歳からを想像しますか。実は「老後」という考えは人により異なります。例えばサラリーマンにとっては、「定年」というのが一区切りではあるけれど、その後雇用延長等で今まで通り働くのであれば、「定年=老後」ではないかもしれません。
また、専業主婦(夫)にとって老後は、老齢年金を受給できる年齢(原則65歳)と考えるのか、60歳以降と考えるのかさまざまです。
つまり、まずは「老後」を何歳からとするのかを考えてみてください。
金融資産(預貯金等)の残高を知る
突然ですが、預貯金の残高が今いくらあるのか分かりますか。預貯金の残高は多くの人が理解していることでしょう。ところが、預貯金以外の金融資産については、残高だけではなくどのような金融資産を持っているのかさえきちんと把握していない人もいます。
不足額を知るためには、現状の金融資産の残高を知ることが大切です。この作業をしようとすると、まずは通帳を全て集めることになります。そのときに使っていない通帳も出てくるかもしれません。
将来使う予定のない通帳は解約をお勧めします。断捨離の一種と考えてください。使っていない通帳は、最終的に国庫に収用される可能性もあるので、注意が必要です。
また、預貯金以外の金融資産(例えば、保険・株式・投資信託・金など)については、年に1回程度でいいので、どういった商品で残高や価額がいくらなのかを確認はしておきましょう。これも大切な老後資金になります。一覧表のようなもので管理するとよいでしょう。
入ってくるお金の金額を知る
老後に入ってくるお金には何があると思いますか。国民年金や厚生年金に加入していた人は、老齢年金が一番に浮かぶでしょう。その老齢年金について、将来受給できる予定額は知っていますか。毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」(※1)で確認しておきましょう。
ねんきん定期便以外でも「ねんきんネット」(※2)や「公的年金シミュレーター」(※3)で老後に入ってくるお金の金額を知ることができるので、確認してみてください。
老齢年金以外にも「iDeCo」や保険会社で「個人年金」に加入している場合は、実際に何歳からいくら入ってくるのか、確認しておいてください。
出ていくお金の金額を知る
入ってくるお金の金額が分かったのであれば、次は出ていくお金の金額を知りましょう。
出ていくお金は、今の出ていくお金(生活費等)を基本に、子どもが巣立った後の生活費、家のリフォーム代や終の棲家のこと、趣味や旅行といった楽しみの費用、最終的には自分が介護状態になったときの費用等、できる限り将来にかかる費用を想像しつつ、書き出してみましょう。
何よりも大切なのは「想像」することです。さまざまな状況を想像し、それに伴う費用を考えます。楽しいことも楽しくないことも想像することで、より具体的な将来がイメージできます。かかる費用をできる限り想定しておくことで、足りない額の具体性が増すことになるのです。
不足額を知って、その後・・・。
金融資産の残高や入ってくるお金と出ていくお金の金額を知ると、不足額を知ることができます。細かなことを言えば、入ってくるお金も出ていくお金も正しい金額かどうかは分かりません。しかし、現時点での自分の状況を知る大切な行為です。
もし不足額があると思っていたが不足しないと分かれば、安心を得ることができます。一方、不足額があると分かれば、今から「収入金額」と「支出金額」の見直しを行う必要が出てきます。働き方にも影響が出るかもしれません。
誰もが少なからず「老後資金に対する不安」を持っていると思います。その不安の解決への一歩は、まず「不足額を知る」ことです。現実を目の当たりにすることに抵抗を感じるかもしれませんが、最終的に老後の生活に安心を与えるには、ご自身で確かめるほかありません。そのため、できることから1つずつ、進めていってください。
出典
(※1)日本年金機構 大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています
(※2)日本年金機構 ねんきんネット
(※3)厚生労働省 公的年金シミュレーター使い方ホームページ
執筆者:秋口千佳
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士
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