「若いうちから貯金しておきな!」と言われましたが、なかなか乗り気になりません。30代から貯金を始めるのでは遅すぎるでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年4月18日 7時40分
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若いうちから貯金をしておくようにと親や周囲の大人たちに言われても、若いうちに貯金の重要性を認識するのは容易ではありません。老後資金が足りないという話題を見聞きしても、若い世代が自分のことのように捉えるのは困難です。 一方で、重要性は理解しているものの、乗り気になれないという人もいるでしょう。今回は、30代から貯金を始めるのでは遅すぎるのか、それとも間に合うのかについて考えます。
65歳以降に必要な資金
貯金をする理由は人それぞれですが、多くの人の関心ごとは、やはり老後の資金でしょう。いわゆる「老後2000万円問題」も話題になり、それがきっかけで老後に向けて貯金を始めたという人も少なくありません。ここでは、実際に65歳以降の生活にいくらくらいの資金が必要となるのかを大まかに計算してみましょう。
総務省統計局の「令和4年 家計調査報告」によると、65歳以上の単身無職世帯の実収入は約13万5000円でした。可処分所得が約12万3000円であるのに対して、消費支出額は約14万3000円となっています。いずれも1ヶ月あたりの平均です。つまり、年金のみでは毎月2万円ずつの赤字になります。
65歳以上の世帯は持ち家率が高く、住居費が約1万3000円しかかかっていない点には注意しなければなりません。仮に8万円の家賃の物件に住む場合、毎月の支出額は21万円ほどとなり、年金のみでは毎月9万円ほど不足する計算です。毎月の赤字額が9万円と仮定すれば、年間では108万円、85歳までの20年間では2160万円です。老後2000万円問題でいわれている額と近い結果となりました。
老後資金を貯めるのに必要な年数
次に、令和5年の家計調査から、現役時代の1ヶ月あたりの平均収支などをみてみましょう。35〜59歳の単身かつ勤労者世帯における可処分所得が約33万1000円であるのに対して、消費支出額は約20万1000円でした。
住居費は約3万5000円となっており、やはり一般的な家賃相場と比べると安くなっています。仮に10万円の家賃の物件に住む場合、毎月の支出額は26万6000円ほどとなり、黒字分は6万5000円ほどとなる計算です。
定年退職まで30年間あると仮定しましょう。毎月の黒字分である6万5000円をそのまま貯め続けると、30年間で2340万円となります。
平均的な収支で黒字となった金額を貯金し続ければ、65歳以降の生活を年金と貯金のみでまかなえるだけのお金は貯められるでしょう。つまり、30代から貯金を始めても、まったく遅すぎるといったことはないといえます。
貯金のモチベーションを上げるコツ
計算上、30代から貯金を始めても遅くはないとはわかっても、乗り気にならなければ始められません。ここでは、貯金のモチベーションを少しでも上げるコツを紹介しましょう。
・少額から始める
最初は少額からでも問題ありません。あまり貯金とは胸を張っていえないと思ってしまう金額からでも、取りあえずは始めることが重要です。慣れてきたら徐々に金額を上げていきましょう。
・目標を立てる
目標を掲げてから貯金を始めると、モチベーションを高めやすくなります。その際、高すぎる目標の設定は避けましょう。これも、最初は目標とはいえない程度の設定で構いません。すぐにクリアできる目標が、モチベーションの維持には大切です。クリアするごとに目標を少しずつ上げていき、徐々に貯金額を増やします。
・目標達成時にはご褒美を用意する
目標を達成したら、自分に対してご褒美を用意する方法も試してみましょう。欲しいものがあれば、それを買うのも構いません。ただし、貯金がなくなってしまうほどの高額なものは避ける必要があります。
目標金額ごとにご褒美を設定するのもよいでしょう。達成した目標金額よりも安いものとはなりますが、食べたかったものやファッションアイテムなどのご褒美を用意すれば、貯金のモチベーションも維持しやすくなります。
30代からでも十分に貯金は可能
30代からでも、平均的な収支で黒字となる金額を貯金し続ければ、定年退職する頃には2000万円以上を貯められる計算です。貯金を始めるタイミングとしては、まったく遅くはありません。
ただ、貯金を始めるにはモチベーションを上げる必要があります。少額から始めたり、クリアが可能な目標を掲げたりすると、貯金のハードルが下げられるでしょう。また、目標達成時に自分に対してご褒美を用意する方法も試す価値があります。
出典
総務省統計局 家計調査 2023年 1世帯当たり1か月間の収入と支出 2 男女、年齢階級別
総務省統計局 家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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