「3・4・5月」に残業をすると、社会保険料が「約3万6000円」アップ!?「4・5・6月」じゃないの? 注意が必要な月についても解説
ファイナンシャルフィールド / 2024年4月20日 3時0分
![「3・4・5月」に残業をすると、社会保険料が「約3万6000円」アップ!?「4・5・6月」じゃないの? 注意が必要な月についても解説](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_286902_0-small.jpg)
会社員の中には、「春に残業をしないほうがよい」と聞いたことがあるのではないでしょうか。もっと詳しく知っている人であれば、「4・5・6月に残業をしないほうがよい」とまで理解しているかもしれません。ただ、人によっては「3・4・5月」の場合もあります。 本記事では、春に残業をしないほうがよい理由を解説し、なぜ異なる時期の情報が出ているのかについても考えてみます。
「春に残業をしないほうがよい」のは社会保険が上がるから
なぜ、春の残業に気を付けたほうがよいのでしょうか。それは、社会保険の算定基礎届に記載される対象期間だからです。給与から天引きされる社会保険料は、日本年金機構が社員それぞれに定めた「標準報酬月額」をもとに算出されています。
そして、標準報酬月額は給与をベースに決定されますが、昇給などによる給与の変動を考慮するため、「定時決定」というタイミングが毎年7月に設けられています。定時決定の具体的な手続きは、会社が日本年金機構へ「算定基礎届」を提出することで行われますが、ここに記載される給与は、4・5・6月の3ヶ月間のものになります。
よって、この3ヶ月間の給与が高ければ社会保険料も高くなりますし、給与が少なければ社会保険料も少なくなるというわけです。「春に残業をしないほうがよい」というのは、「給与をできるだけ少なくしたほうがよい」という意味なのですね。
「4・5・6月」と「3・4・5月」どちらが正しい?
算定基礎届に記載される給与は、4・5・6月の3ヶ月分と前述しました。そしてこれは、「支払い日が属する月」です。
よって給与の計算サイクルが月末締め翌月10日払いの場合、3・4・5月に働いた分の給与が4月10日・5月10日・6月10日に支払われるため、働いた月(3・4・5月)と対象となる給与を受け取る時期(4・5・6月)にズレが生じます。
また、残業手当を翌月払いとしている企業の場合も、3・4・5月の残業が多いと4・5・6月の標準報酬月額が上がることになります。
給与の計算サイクルは会社によって違うことから、残業しないほうがよい月が、「4・5・6月」と「3・4・5月」のパターンに分かれるのです。どちらも間違ってはいないということですね。
春に残業をしたら社会保険料はどのくらい上がる?
それでは、具体的にどのくらい社会保険料が違うのかを計算してみましょう。本記事では、いつもはほとんど残業のない月給30万円の人が、算定基礎届の対象期間の3ヶ月間だけ月2万円の残業をしたと仮定し、試算してみます。
まず月給30万円の社会保険料は東京都の場合4万4820円(介護保険料含む)です。これに対して月32万円では4万7808円になります。差額は約3000円なので年間にすると約3万6000円となり、3ヶ月間の残業代6万円のうち、半分以上はその後に増える社会保険料に持っていかれる計算になります。
まとめ
春に残業をすると社会保険料が上がる可能性があります。対象となる期間が、「4・5・6月」と「3・4・5月」で情報が混在しているのは、会社によって給与計算のサイクルが異なるからです。残業を控えたい期間は「4・5・6月に支払い日が到来する給与」で覚えておきましょう。
出典
日本年金機構 定時決定(算定基礎届)
全国健康保険協会 令和6年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表
執筆者:佐々木咲
2級FP技能士
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