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大統領選でねじれが生じたから、株は下がるって本当?

ファイナンシャルフィールド / 2018年11月13日 9時0分

大統領選でねじれが生じたから、株は下がるって本当?

11月6日に投開票された米国の中間選挙ですが、以前から通商面や外交面だけでなく、大規模減税に代表されるような大胆な政策を掲げていたトランプ政権の今後の求心力を占う上でも非常に注目度が高かったイベントでした。   市場の予想通りねじれ状態となりましたが、これを受けた投資スタンスはどのように考えればよいのでしょうか。  

大統領選の結果は予想通り

日本時間の11日7日、米中間選挙の結果が明らかになりました。上下院議員や州知事を対象として米大統領選挙の中間の年の11月に実施されますが、上院は100議席の3分の1(2018年では35議席)、下院は435議席全てが改選されました。
上院・下院いずれもが与党である共和党が多数となった現状から、今回の選挙で下院において民主党が多数を占め、ねじれ状態となりました。
市場で予想されていた通りではあったものの、この結果、議会の承認が必要な政策については合意が得られない可能性が高くなります。例えば、トランプ政権の目玉である大規模減税の恒久化は難しくなると予想されます。また債務上限引き上げの議論についても不透明感が浮上してくるでしょう。
 

通商面の強硬姿勢と国内消費への圧迫

ここからのシナリオとして、国内の施策実現性が低くなることが予想されるため、中国を中心とした通商交渉では強硬な姿勢が加速すると考えられます。「米中貿易紛争も大統領選挙まで」というシナリオは崩れ、第二章、第三章と継続することになるでしょう。
また、米国国内に目を転じれば、これまで関税対象品目は主に資本財でしたが、今後は消費財にかかってきますので、一般消費者が物価上昇を認識し、消費は弱含むことが予想されます。
 

マイナス要因ばかり?

このように見通せる状況を考えれば、米国金融市場はマイナスに見えます。しかし、比較的短期で売買することによって収益を上げる投機を考えていないのであれば、じっくり買って育てる投資にはいいタイミングではないでしょうか。
かつてのリーマンショックやITバブルの時のような経験を経て、法令上の縛りがきつくなりました。したがって、スキームそのものに問題あって、市場全体が根底から覆るというような投資機会を見つけることは極めて難しくなっています。
万一の万一を想定した急落を恐れるのはもったいないですね。今回の選挙結果を受けて大規模減税といったリップサービスは難しくなった、貿易紛争で関税引き上げからくる消費下押し圧力が大きくなったとはいえ、これまでの異常に強かった米国の経済成長にほどよい冷や水となるのかもしれません。
本来の長期成長力が盤石であることは2.0を上回る出生率が示すように人口動態からも明らかです。時間軸を長くとって、金融市場がもたついているときに大きな花が咲くことを楽しみに少しずつ種まきをする時期と考えるのも有効な投資手法だと思われます。
みんなが「いい!上がる!」というお祭り騒ぎの時はすでに満開、というのは何度も経験済みですね。
Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者

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