利用者が減る一方で、カラオケ業界の出店競争激化? カラオケ離れは進んでいるのか
ファイナンシャルフィールド / 2018年11月15日 3時0分
![利用者が減る一方で、カラオケ業界の出店競争激化? カラオケ離れは進んでいるのか](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_28929_0-small.jpg)
年末年始は、忘年会や新年会、友だちとの飲み会などでカラオケに行く機会が増える季節。 みなさんも交友関係や仕事の付き合いなどで、この時期1度はカラオケにお世話になることもあるのではないでしょうか。 一昔前のカラオケブームと比べると、だいぶ落ち着いて見える現代のカラオケ市場。 実際どうなのか、消費財や暮らしに関するトピックスを扱う「From プラネット」を運営する、株式会社プラネットの調査(※1)を見てみましょう。
みんなは普段どこでカラオケを楽しんでいる?
【ふだんどこでカラオケをしていますか】
1位:カラオケはしない 61.7%
2位:カラオケボックス・カラオケ店 33.2%
3位:スナック・バー・居酒屋など 9.8%
なんと、6割もの人がそもそもカラオケはしないと回答しています。
【カラオケ店に行く頻度はどれくらいですか】
1位:半年に1回 25.6%
2位:2〜3ヶ月に1回 21.1%
3位:1年に1回 15.3%
およそ4割の人が、半年〜1年に1回程度しかカラオケに行かないようです。2〜3ヶ月に1回行くと言う人はせいぜい2割。
【カラオケ店に行く回数は以前に比べ、どうなりましたか】
1位:減った 56.8%
2位:以前と同じくらい(変わらない) 35.9%
3位:増えた 7.2%
およそ6割の人が、以前よりもカラオケに行かなくなったと答えています。
利用者が少なくなっただけでなく、カラオケに行く頻度も全体的に下がってきているということがわかりますね。カラオケブームのころは猫も杓子も……といった感じでしたが、こんな状況です。
最近のカラオケ店は、システムが進化し、料理やドリンクバーなども充実しているという話も聞きますが、経営の方はどんな具合なのでしょうか?
ここまで見てくると、「そんなにカラオケに行く頻度が下がっているなら業界もきびしいのかな」と思いそうですが……。
利用者が減る一方で、カラオケ業界の出店競争激化?
三井住友銀行が発表したカラオケ市場の調査(※2)によると、大手事業者が積極的に出店していることもあり、むしろ店舗数自体は2011年の約1400店から2015年の約1800店と伸びているようなのです。
ではどんな事業者なのでしょう?同資料では1位の第一興商(ビッグエコー)が圧倒的に強そうです。
【カラオケ事業者売上げランキング】(注)
1位:第一興商(ビッグエコー)567億5900万円
2位:シダックス(シダックス)301億5500万円
3位:ビーアンドブィ(カラオケ館)290億円
4位:コシダカHD(まねきねこ)276億4300万円
5位:東愛産業(ジャンボカラオケ広場)225億4500万円
(注)売上高上位事業者のうちニュートン(ブランド名:パセラ)は部門売上高不明のため本表から除外
みなさんが行ったことのあるカラオケ店の名前もあるのではないでしょうか?いずれの店舗も、駅前や繁華街でよく見かけるものばかりです。
カラオケは郊外から都心へ!
どうしてカラオケの参加率が減っているのに、店舗数が増えているのでしょうか?
同資料では『立地別には、郊外型店は飲酒規制の厳罰化等から来店客数の減少が続いている一方、都市部繁華街店は景気回復を受けて需要が拡大しており、今後も景気動向に左右されつつも底堅い需要が見込まれます。』と説明されています。
つまり、車で行く郊外型の店舗がきびしくなっているのに比べ、都市部の繁華街にあるカラオケ店は、需要が拡大しているということのようです。
最近では、「飲食可能」「個室」という環境のため、友人とのおしゃべりやビジネスパーソンが会議やノマドワーク的な使い方もしているようで、「都市部のカラオケ店舗」はいろんな形に進化していくのかもしれません。
利用者数の減少を食い止めるための新たな利用法や、さらなるカラオケ機能の進化に今後も注目が集まりそうです。
※1 株式会社プラネット「FromプラネットVol.96<カラオケに関する意識調査>」
※2 株式会社三井住友銀行「カラオケ業界の動向」
Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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