現在70歳ですが身寄りがなくこの先の生活が不安です…。利用できる国の制度などはあるのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年4月27日 6時10分
親族や家族などの身寄りのない方は、身体的な衰えや病気などから、自分で金銭面や身上管理ができなくなるリスクがあります。 そのような場合は、国の公的サービスを利用することで解決できる可能性もあるでしょう。 今回は、身寄りのない方に起こりうるリスクや、万が一の場合に備えて活用できる公的サービスを解説します。
身寄りがない高齢者に起こりうるリスク
もし、親族や家族がいない一人暮らしの方が老後を迎えると、生活や葬儀、相続などに関して、さまざまなリスクが懸念されるでしょう。
例えば、認知症などで物事の判断能力が低下すると、適切な財産管理ができなくなり、詐欺被害に巻き込まれる可能性があります。
また、孤独死の危険性や遺品整理問題などのリスクも考えられるでしょう。
身寄りがない高齢者が利用できる制度
身寄りのない高齢者が利用できる制度には以下のようなものがあげられます。
●財産管理委任契約
●任意後見制度
●日常生活自立支援事業
それぞれの内容について確認していきましょう。
財産管理委任契約
財産管理委任契約とは、本人に判断能力はあるが、身体的な理由で自分の財産管理が難しくなってしまった場合に、第三者に財産管理を委任する契約です。
貯蓄の管理や公共料金の支払い、年金の受け取りなどの財産管理から、介護施設への入所や入院の手続きなどの財産管理以外の部分のサポートも含まれることがあります。
ただし、財産管理委任契約を結んだ第三者でも、金融機関によっては対応してもらえない可能性もあるため、事前に利用する金融機関に確認をしておきましょう。
任意後見制度
財産管理委任契約と似たような制度として、任意後見制度というものも存在します。
任意後見制度とは、自分の判断能力が低下したときに備えて、本人が健康で判断能力も問題ないうちに、財産管理やそのほかの身上管理を委任する契約です。
財産管理委任契約との大きな違いは、代理権が発生するタイミングです。
財産管理委任契約の場合は、本人の判断能力の有無は関係ありませんが、任意後見制度の場合は、本人の判断能力が低下した時点で初めて効力が発生します。
事前に任意後見契約を結んでおかないと、家庭裁判所が選定した見ず知らずの方が後見人となる可能性があるため、自分の判断能力があるうちに信頼できる後見人を選定しておくと安心できるでしょう。
以上の理由から、財産管理委任契約と任意後見制度を同時に結んでおくと、スムーズに手続きが行えます。
日常生活自立支援事業
身寄りのない方が日常生活自立支援事業を活用すれば、日常生活を送るうえで必要なさまざまな援助を受けられます。
利用できる対象者は、以下に該当する方です。
●自分で物事の判断が難しい方(認知症の方や知的障害者、精神障害者など)
●日常生活自立支援事業の契約内容について理解能力があると認められた方
福祉サービスの利用や福祉サービスを受けるうえで起こりうる苦情対処、行政手続きなどのサポートが受けられます。
ただし、貯蓄や生活費の管理などの金銭面でのサポートは含まれていないため、財産管理のサポートを望むのであれば、前述した財産管理委任契約または任意後見制度を利用しましょう。
身寄りのない高齢者は、財産管理や身上管理を委任できる公的サービスを検討すると安心
親族や家族などの頼れる身寄りがいない方は、高齢になればなるほど、身体的なリスクから起こりうる財産管理の問題や日常生活を送るうえでの問題が発生しやすくなります。
もし、自分の財産管理が不安という方は、財産管理委任契約または任意後見制度を利用し、自分の判断能力があるときに信頼できる代理人を選定しておくと安心でしょう。
また、金銭面以外の日常生活面でのサポートが必要な場合は、日常生活自立支援事業制度を活用することもできます。
もしもの場合に備えて、利用できる公的サービスを検討してみてください。
出典
社会福祉法人名古屋市社会福祉協議会 名古屋市成年後見あんしんセンター 支援者のための 成年後見制度活用ハンドブック〜ひろげよう!市民後見〜(15ページ)
法務省 成年後見制度・成年後見登記制度 Q1~Q2 「成年後見制度について」
厚生労働省 日常生活自立支援事業
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
男性の孤独死は「60代男性」がもっとも多い…「おひとりさま」の老後を暗転させる"6つの危険因子"
プレジデントオンライン / 2024年9月11日 9時15分
-
正解のない「老後ひとり難民」対策…リスクを減らすための準備を進めておきたい終活8項目とは?
Finasee / 2024年9月9日 17時0分
-
エイジテック×フィンテックサービスを提供するKAERU株式会社、京都市社会福祉協議会に対し金銭管理支援サービスを提供開始
PR TIMES / 2024年9月5日 11時45分
-
認知症対策にAI技術を活用。勝司法書士法人が自社開発した「そなえる任意後見 AIチャット相談サービス」が完成!!
PR TIMES / 2024年9月3日 14時45分
-
父が「認知症」になってきた気がして、とても不安です。認知症になると「銀行口座が凍結される」と聞いたことがあるのですが、どのような準備をしておけばよいのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年9月1日 9時0分
ランキング
-
1丸亀製麺がはなまるうどんに大きく差をつけた「逆張り戦略」とは
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2024年9月26日 20時55分
-
2「ブラックホール」で"時が止まる"は本当なのか? 何でも吸い込む「天体のラスボス」7つの不思議
東洋経済オンライン / 2024年9月28日 9時0分
-
3「はやぶさ」「こまち」はなぜ連結して走るのか 欠点を上回る分割併合運転のメリット
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月28日 9時10分
-
4「出口渋滞エグすぎ」「降りないほうがいい」 関越道の“猛烈渋滞IC”さらに激化か 抜本対策も進行中
乗りものニュース / 2024年9月28日 12時12分
-
5株価4000円の暴落より日本経済にとって大きなリスク…日銀が市場の信頼を失った本当の理由
プレジデントオンライン / 2024年9月28日 8時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください