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住宅ローンとデフレ・インフレの関係についておさらいしよう。ローンを返すのはどっちが得なの?

ファイナンシャルフィールド / 2018年11月17日 10時0分

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わたしたちは、日々の暮らしの中で経済用語としての「物価」を気にして生きてはいません。   でも、野菜の値段が高いとか、消費税が上がるとか、「モノの値段」については気にして生きています。   アベノミクスでは、いわゆる消費者物価指数の誘導目標を年率2.0%としていますが、なかなか思うようには進んでいません。   これには、デフレからの脱却という強い意志を感じますが、物価が上がると、お金はどうなるのでしょうか。   今回は、住宅ローンと物価についてのお話をします。  

物価とデフレ・インフレ

そもそも「物価」とは何かというと、「モノの価値」のことです。
モノの価値をお金に換算したものが「物価」であるため、モノとお金にはこんな関係性があります。
物価が上がると、お金の本質的な価値は下がる。
物価が下がると、お金の本質的な価値は上がる。
例えば、今、1万円の時計があるとします。
1年後、物価が2.0%に上昇、または物価上昇率が2.0%の場合、この1万円の時計の価値は今と比べ200円下がり、9800円になります。
逆に、1年後、物価が2.0%下落する場合、この1万円の時計の価値は今と比べ200円上がり、1万200円になっています。
前者の場合、モノの力がお金よりも強くなることを意味していて、後者の場合、モノの力がお金よりも弱くなることを意味しています。
簡単にいうと、前者のような状態を「インフレ」、後者のような状態を「デフレ」と言います。
別のいい方をすると、インフレは物価が上がること、デフレは物価が下がることを意味します。
正確にいうと、それだけではないのですが、説明を簡略化するために、このように表現しています。
 

住宅ローンと物価の関係

さて、住宅ローンに話を移します。最近の金融緩和の修正をめぐって、金利が上がるのではないかという声を耳にします。
金利が上がると、住宅ローンの返済が増えてしまうため、家計にとって大変という理屈です。
これを先ほどの物価で説明すると、金利が上がる状況では物価も上がっていき、お金の価値が下がることから、「住宅ローンはなるべく早く返しましょう」という話につながっていきます。
現金や預金などを塩漬けにしていると、それまでと比べてお金の価値が下がっていきます。
そのため、インフレに向かっている場合は、借金を早めに返し終えたほうがよいのです。
これとは逆に、デフレの場合はどうでしょうか。
デフレはモノの力が弱くなり、お金のチカラが強くなる現象です。ということは、現金や預金は極力使わずに持っているほうがよいということです。
これを住宅ローンに適用すると、お金はなるべく返さないほうがいいということになります。
現状はまだ、デフレから脱却できていません。
つまり、理屈の上では急いで返さない方がいいのですが、そうはいっても、住宅ローンはなるべく早めに返したいと思ってしまいますよね。
それでは、このように考えてみると、なるほどと思ってもらえるかもしれません。
デフレ下では、そもそもお金のチカラがモノの力よりも強いわけですから、それを活用して、より高い金利や利回りを実現できるところにお金を預けかえるのです。
例えば、物価が1.0%下落するなら、お金の価値は逆に1.0%上昇したことになります。
これを利用し、さらに金利や利回りのよい環境で貯蓄・運用すると、追い風にのるように、より効率的にお金は貯まっていきます。
このようにして貯めたお金を、物価が上がる際に、繰り上げ返済として住宅ローンの返済にあてましょう。
少し難易度は高いかもしれませんが、理屈で考えると、このような方法が適切と言えます。
次回は繰り上げ返済についてお話ししていこうと思います。
Text:重定 賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
 

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