何歳になってもお小遣いは貰いたい!そんな夢を叶えるシニア向け分配型投資信託の内容とリスク
ファイナンシャルフィールド / 2018年11月18日 9時0分
先日、実家の近くでタクシーに乗った時の話です。偶数月の15日は、タクシーの利用者が増えるそうです。 そう、年金の支給日です。この地域は高齢化が進んでいます。「買い物だけでなく、お墓参りも多いですよ」とのことでした。 年金の支給日は待ち遠しいですが、奇数月にもお小遣いを受け取る方法について考えます。
毎月分配型投信が不人気になった理由
以前“グロソブ”と呼ばれる投資信託が流行しました。正式名称はグローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)です。
主要な先進国の信用力の高いソブリン債券(国債や政府機関債など)に投資するものです。
グローバルに分散されている、格付けが高い債券が対象、そして何より「毎月分配金が受け取れる」ことが、人気の理由でした。
現在も販売されていますが、以前のような人気はありません。2000年に毎月60円だった分配金が現在は10円です。これが不人気になった理由だと考えられます。
一方で、「毎月分配型投信」についての賛否があります。毎月分配することで、コストもかかります。分配せずに運用すれば、複利効果もありますので合理的です。
“増やす”ことを考えれば、長期の運用には向かないのです。「毎月分配金を受け取れて嬉しい」と喜んでいた人が、このデメリットに納得して離れていったケースも多いはずです。
シニア向けの商品が増えている
「毎月分配型投信が良くないのか」といえば、そうともいえません。今年始まった「つみたてNISA」のように、コツコツ長期間をかけて資産形成をするには向かない、ということです。
逆に、“資産を取り崩して”生活をしているリタイア世代にとっては、運用商品の一つとして考えられます。“人生100年時代”と言われるようになりました。
確かに、まだまだ元気だし、やりたいこともあるのに、老後資金は大丈夫? やはり運用は必要? と思うシニア層は多いのではないでしょうか。
こういったニーズに応えて、最近シニア層向けの分配型投信商品が増えています。
特徴は、奇数月に分配することを意識している点。「奇数月にもお小遣いを貰いたい」を叶えています。
また、長期的に安定的に分配を続けられるように、リスクを低く設計されている点も各商品の共通点です。
シニア層は、老後資金から「引き出す」ことが必要な世代です。“貯金を取り崩す”よりも“分配金を受取る”方が、イメージも良いです。“取り崩す”と考えると、自分のお金なのに、何故か罪悪感があります。
例えば、<1万口当たり分配金50円を奇数月に分配します>の投資信託に基準価額10,000円の時に500万円を投資したとします。
分配金は25,000円になります(ここではコストや税金は考慮していません)。
定期的に受け取れますので、旅行や趣味の費用に充てるといった使い方もできます。「分配金→お小遣い→使って良いお金」と考えると、奇数月が楽しくなるのではないでしょうか。
もちろん、注意点もあります。投資信託は値動きがあるものです。
500万円で500万口を購入しましたので、口数は変わりません。基準価額は変動しますので、運用益を得る場合もあれば、損失を抱えることもあります。
金庫に預けたつもりの500万円が、いつの間にか400万円になっていることもあるのです。預けっぱなしではなく、時々金庫の中を覗くことは必要です。
また、金庫と違いコストが掛かりますので、投資信託を選ぶ時は、複数の商品を比較することも肝要です。
Text:宮﨑 真紀子(みやざき まきこ)
相続診断士
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