友人に貸した「50万円」が返ってきません。やはり「あげるつもりで貸さないと」いけなかったのですか?悔しいです…
ファイナンシャルフィールド / 2024年5月8日 9時30分
友人間のお金の貸し借りはトラブルの温床です。額の大小はあれど誰もが一度はモヤモヤしたり、まさに今、貸したお金を返してもらえず困っていたりする方もいるかもしれません。 そこで、友人に貸したお金を返してもらう方法について、50万円のお金を貸したAさんの事例を基に考えていきます。
お金はあげたつもりで貸す
正直なところ、個人間で貸したお金を確実に返済してもらう方法はないと考えたほうがよいでしょう。当事者間で心理的負担を与え返済の重要性を考えさせたり、返済を促すこと、最終的には裁判で命令したり、今分かる範囲内にある相手の財産を差し押さえることまでしかできません。
どこまでいっても絶対に全額回収できる保証はないのです。それを念頭にお金を返してもらう方法について考えていきましょう。
前提として契約書は作るべき
お金の貸し借りはどんなに親しい友人間でも契約書の作成が必須です。なぜなら、貸した金額や返済条件について、言った言わないの繰り返しで争いの原因になりかねないからです。今回の場合であれば、契約書を作成して「いつ、どのような条件で50万円を貸したのか」を明確にする必要があります。
契約書の作成は、弁護士などの専門家に頼むと数万円から10万円近い額になります。50万円というお金の貸し借りの額を考えると、無理に専門家に頼まず、自分たちで作成してもよいかもしれません。とはいえ、できる限り専門家に作成を依頼することが望ましいです。
契約書がなければ内容証明郵便で返済を促す
契約書がない場合でさらに返済が滞っているような場合は、口頭で返済を促しても返済は望めないでしょう。そこで検討したいのが内容証明郵便です。内容証明郵便は、いつ誰宛にどのような内容の文章を送ったのか郵便局が証明してくれるサービスです。
書留で送るので、本人が郵便の配達員から対面して受け取り、さらには厳かな文書として送られてくるものです。
内容証明郵便は、裁判での証拠として用いることができるほどしっかりとした文書ですので、お金の返済を促す際には積極的に使いたい方法です。文書の通数や付与するオプションにもよりますが、価格は1万円程度あれば十分な内容の文書を送付することが可能です。
基本的に、50万円という額でのお金の返済を促すのであれば、ここのあたりが法的手段でできることの限界になります。
裁判を起こすことも考える
どうしてもというのであれば、裁判を起こして最終的に差し押さえを行い、貸した分のお金を回収するというのも有効です。
ただし、裁判を行うとなると、平日昼間に複数回裁判所へ赴き手続きをする必要があります。さらには、最終的に勝訴判決を得て相手の財産を差し押さえようとしても、相手の財産の場所が分からないと差し押さえはできません。
また、差し押さえをしたとしても、相手に財産がなければ空振りに終わる可能性もあります。
そういった部分を踏まえて弁護士など専門家に依頼しようと思っても、50万円では赤字となる可能性が非常に高いです。
その点を考えると、裁判を起こして返済を促すのではなく、内容証明郵便を送るなどして返済を促すのが現実的といえるでしょう。
まとめ
正直なところ、友人間で貸し借りされたお金は相手が任意に返済しない限り、満額返済を受けることは容易ではないのが現実です。
裁判を行っても必ずしも満額返ってくるとは限りませんし、勝訴しても赤字となる可能性もあります。
現実的には内容証明郵便を送るまでにとどめ、あとは友人に対して粘り強く返済を促すことになっていくでしょう。
執筆者:柘植輝
行政書士
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