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50代の会社員です。前職を辞めて親の介護をして再就職するまでの2年間生活が厳しく、年金の支払いができませんでした。離職前までは毎月納めていましたが、このままでは年金を満額もらえなくなりますか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年5月11日 21時10分

50代の会社員です。前職を辞めて親の介護をして再就職するまでの2年間生活が厳しく、年金の支払いができませんでした。離職前までは毎月納めていましたが、このままでは年金を満額もらえなくなりますか?

日本国内に住む20歳以上のすべての国民は国民年金に加入義務がありますが、学生であったり、経済的理由等で国民年金保険料の支払いを「猶予」あるいは「免除」されるという制度があります。このような猶予あるいは免除された国民年金保険料は、後日追納することができます。   今回のご相談は、「再就職までの2年間、年金が払えなかった」とのこと。このようなケースではどのように対処すべきかを見ていくとともに、年金の猶予あるは免除された場合の追納方法等についてお話します。

国民年金保険料の追納制度とは

国民年金保険料の追納制度とは、これまで猶予あるいは免除により未納だった年金保険料を後から支払うことです。
 
老齢基礎年金の年金額を計算する際に、保険料の猶予や免除の承認を受けた期間がある場合は、年金の受給資格期間として計算されることになりますが、年金額には反映されませんので保険料を全額納付した場合と比べ年金額が低額となります。
 
よって、保険料の猶予や免除の承認を受けた期間の保険料については、後から納付する(追納する)ことにより、老齢基礎年金の年金額を増やすための制度です。
 

追納するメリットは

メリットは、追納によってもらえる年金額が増えることです。
 
追納ができるのは、追納が承認された月の前10年以内の免除等期間に限られます。保険料の免除もしくは納付猶予の承認を受けた期間の翌年度から起算し、3年度目以降に保険料を追納するケースにおいては、承認を受けた当時の保険料額に経過期間に応じた加算額が上乗せされます。
 
ここでは、2年分(=経過の加算額が上乗せされない範囲)を全額免除されていた方が追納するという前提でお話しします(実際には4月~3月が該当とは限りませんのでこの額にはなりません)。
 
令和4年分の月額(1万6590円)×12月+令和5年分の月額(1万6520円)×12月=39万7320円≒40万円の追納額になります。
 
これを令和5年度の月額を基準に考えると、満額が6万6250円ですので約3300円の増額となります。つまり、年金を10年以上受給すればカバーできる額になります。
 
また、節税という面でもメリットがあります。
 
追納分の国民健康保険料は社会保険料控除の対象となり、その年の所得税と住民税が軽減されます。上記の額(年間40万円)を追納した場合、個人差はありますが、年収300万円ですと約8万円、年収500万円ですと約12万円の節税です。
 
よって上記のとおり、10年以内の免除等期間の追納が可能ですので、3年以上前の加算が必要な古い年の未払い分も、年収が高くなった際に支払うことによって節税効果が大きくなります。
 
その際の注意点ですが、保険料の免除・納付猶予や学生納付特例の承認を受けた期間のうち、原則古い期間の分から納付します。ただし、納付猶予や学生納付特例の承認を受けていた期間と免除の承認を受けていた期間がどちらもある場合は、年金事務所に相談しましょう。
 

追納方法は

申請用紙は「国民年金関係届書・申請書一覧」からダウンロードできます。追納の申請先は年金事務所になり、郵送することも可能です。申請の際はマイナンバーカードが必要です(郵送の場合は両面のコピーも同封します)。
 
その後厚生労働大臣の承認を受けた上で、納付書をもらい追納します。支払いは納付書のみで口座振替やクレジットカードでの納付はできませんが、Pay-easy(ペイジー)を使っての納付は可能です。
 

人生100年時代に備えて

さまざまな理由で国民年金保険料を納めてなかった場合、老後の年金額に影響が出てきますが、上記の例のように長生きするほどじわじわと影響が出てきます。
 
よって、再就職が決まるまでの2年分は、収入が増えた際の節税効果もありますので、未納期間があってまだ追納できる状況であるのでしたら追納をお勧めします。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
 
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表

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