定年退職後は働かずに「年金生活」の予定です。給与収入がなくなったら住民税の支払いはなくなりますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年5月12日 2時0分
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仕事を定年退職して年金生活が始まると、給与収入がないため住民税がかからないと考える方もいます。 しかし、年金も収入の一つであり、雑所得として扱われるため、住民税の課税対象です。 ただし、所得の金額によっては、非課税となる可能性もゼロではありません。 今回は、住民税の課税条件と年金から雑所得を求める方法などについてご紹介します。
住民税の課税条件
住民税は、所得に応じて金額が決められる所得割の10%と、所得に関係なく金額が決められている均等割5000円(自治体によって異なる)から構成されています。
そして一定額以上の所得があれば住民税の対象です。
非課税世帯となる条件は、自治体によって異なるので公式ホームページや相談窓口などで確認しておきましょう。
東京都主税局によると、東京都23区で住民税がすべて非課税となる基準は以下の通りです。
●生活保護を利用していて生活扶助を受けている
●未成年者や障害者、寡婦、ひとり親かつ前の年の所得額が合計で135万円以下(給料を受け取っている方なら年収が204万4000円未満)
●生計を維持している親族や配偶者がいる方は前の年の所得額が合計で「35万円×生計を維持している親族や配偶者に本人を加えた人数+31万円」以下
●生計を維持している親族や配偶者がいない方は前の年の所得額が合計で45万円以下
なお、上記に該当していなくても、所得額によっては住民税の所得割のみが非課税になる可能性もあります。
年金も住民税の対象
老齢基礎年金や老齢厚生年金などの公的年金も雑所得の一つなので、非課税世帯に該当していなければ住民税が発生します。
住民税は、基本的には年金からあらかじめ「特別徴収」の形で天引きされているため、自分で納付しに行く必要はないようです。
雑所得の金額は、年金額から公的年金等控除額を引いて計算します。
国税庁「高齢者と税(年金と税)」を基に、年金などに係る雑所得の求め方をご紹介します。
表1
公的年金などの金額 | 公的年金などに係る雑所得の金額 | |
---|---|---|
65歳未満 | 60万円以下 | 0円 |
60万円超~130万円未満 | 収入額-60万円 | |
130万円~410万円未満 | 収入額×0.75-27万5000円 | |
410万円~770万円未満 | 収入額×0.85-68万5000円 | |
770万円~1000万円未満 | 収入額×0.95-145万5000円 | |
1000万円以上 | 収入額-195万5000円 | |
65歳以上 | 110万円以下 | 0円 |
110万円超~330万円未満 | 収入額-110万円 | |
330万円~410万円未満 | 収入額×0.75-27万5000円 | |
410万円~770万円未満 | 収入額×0.85-68万5000円 | |
770万円~1000万円未満 | 収入額×0.95-145万5000円 | |
1000万円以上 | 収入額-195万5000円 |
※国税庁「高齢者と税(年金と税)」を基に筆者作成
例えば、65歳の方が年金300万円を受け取る場合の雑所得は300万円-110万円で190万円です。
もし65歳で所得が年金のみ、基礎控除43万円以外の控除が何もない場合、年金300万円の方の住民税額は15万2000円です。
ただし、実際には社会保険料なども控除されるため、同じ年金額でも住民税は少なくなる可能性もあるといえるでしょう。
年金生活でも住民税は支払いが必要
たとえ働かなくなっても、年金を受け取っていれば雑所得が発生するため住民税が課税されます。
ただし、所得の金額によっては住民税が非課税となる可能性もあるので、支払えるか不安な方は税務署や自治体に確認しておきましょう。
住民税は年金から特別徴収されるため、基本的には自分で納めに行く必要がありません。
また、年金額によって雑所得の計算方法が異なります。
住民税額が気になる方は、一度自分で計算してみましょう。
出典
東京都主税局 個人住民税 6 個人住民税の非課税
国税庁 高齢者と税(年金と税)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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