息子の”就活”が始まりました。「就職超氷河期」の頃と「現在」とでは平均年収はどのくらい異なるのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年5月15日 21時10分
![写真](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_293252_0-small.jpg)
生産年齢人口が減少し、人手不足が問題となっている昨今、新卒採用の就職活動において売り手市場が続いています。 子どもが「就活」を始めようとしている親の中には、今の状況を「うらやましい」と感じている方もいるのではないでしょうか。というのも1990年代から2000年頃にかけて、親の世代は「就活氷河期」の真っただ中だったからです。 そこで今回は、就職氷河期と現在の就活事情や20代の平均年収を比較してみました。
就職氷河期と現在の就活事情を比較
「就活」を始めようとしている子どもたちの親世代は、1993年から2004年に学校卒業期を迎えて就職難を経験した世代かもしれません。
「平成21年版厚生労働白書 暮らしと社会の安定に向けた自立支援」では、当時の就活事情について「大卒では求人倍率は1990(平成2)年の2.77から2000(平成12)年には0.99に……高卒についても、求人倍率は1990年の2.57から2003(平成15)年の1.21に……落ち込んだ(一部抜粋)」ことが記されています。
1994年には「就職氷河期」という造語が、新語・流行語大賞の「審査員特選造語賞」に選ばれ、この世代は「ロストジェネレーション(失われた世代)」とも呼ばれています。1990年のバブル崩壊で多くの企業は人件費の削減を実施せざるをえなくなり、新卒者の就活は難航しました。
1990年代後半から2000年頃にかけては、金融不安やITバブル崩壊により景気悪化が加速し、「就活超氷河期」とまで呼ばれるほどでした。
就職氷河期に就活をしていた親世代にとって、現在の若者の就活事情はうらやましいと感じられるでしょう。厚生労働省によると、2023年度の有効求人倍率は1.31倍で、ここ数年、売り手市場が続いているとのことです。
就職氷河期と現在の20代の平均給与は
就活を始める若者や親世代には、就職氷河期と現在の20代の年収が気になる方もいらっしゃるでしょう。国税庁の「民間給与実態統計調査結果」を基に、「就職氷河期」が流行語大賞を取った1994年から2004年までと2022年の、20代の平均年収をまとめると表1の通りです。
表1
年 | 20~24歳 | 25~29歳 |
---|---|---|
1994年 | 274万8000円 | 354万2000円 |
1995年 | 281万3000円 | 364万円 |
1996年 | 280万円 | 370万5000円 |
1997年 | 282万2000円 | 373万4000円 |
1998年 | 276万5000円 | 364万5000円 |
1999年 | 274万2000円 | 358万2000円 |
2000年 | 269万3000円 | 357万9000円 |
2001年 | 265万9000円 | 353万1000円 |
2002年 | 259万3000円 | 347万7000円 |
2003年 | 255万2000円 | 344万6000円 |
2004年 | 249万7000円 | 343万7000円 |
2022年 | 272万5000円 | 388万6000円 |
※国税庁「民間給与実態統計調査結果」を基に筆者作成
同調査結果から、現在の20代の平均年収は、就職氷河期が厳しくなった2000~2004年の水準と比較すると、20代前半で3万2000円~22万8000円、20代後半で30万7000円~44万9000円高いことが分かります。
就職氷河期には、正社員になれずに非正規社員で働く人が増えたことが社会問題になり、その後も正社員になることなく現在に至る方もいらっしゃいます。また正社員登用されたものの、転職を繰り返したり失業したりした方も少なくありません。
就職氷河期の厳しい時期に就活を行ったため、現在でもさまざまな課題に直面している方が多いことから、厚生労働省では「就職氷河期世代活躍支援」への取り組みを行っています。
売り手市場の現在は就職氷河期よりも20代の年収が3万2000円~44万9000円高い! 就活が楽なわけではない点にも注意
就職氷河期が厳しくなった2000~2004年と現在の20代の平均年収を比較したところ、現在のほうが20代前半で3万2000円~22万8000円、20代後半で30万7000円~44万9000円高いことが分かりました。
就活に関しても、現在は売り手市場が続いていることから、就職氷河期世代から見るとうらやましい状況だといえるかもしれません。
しかし、現在の就活は楽であるというわけではない点に注意が必要です。アフターコロナの時代になり就活の常識が目まぐるしく変化していることもあり、希望する就職先からの内定を得るために、子どもと親はしっかりと就活に備える必要があるといえるでしょう。
出典
厚生労働省
平成21年版厚生労働白書 第2章 様々な場面における、個人の自立と社会の安定に向けた取組み(17ページ)
一般職業紹介状況(令和5年12月分及び令和5年分)について
国税庁 民間給与実態統計調査結果 統計表 3-10
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ふざけるな!月収50万円「46歳大卒サラリーマン」大激怒…「新卒社員」給与引上げの犠牲になる「氷河期世代」の哀れ
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月4日 5時15分
-
月収18万円〈50代・大卒非正規〉がポツリ「生まれる時代を間違えたのか…」見捨てられた〈団塊ジュニア〉を待つ残酷未来
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月26日 14時15分
-
「波平は年収1千万」「マスオもスゴッ」 磯野家の収入にまつわる都市伝説を検証したら?
マグミクス / 2024年5月19日 18時40分
-
「保育士になりたい」という子ども好きの娘。年収はどのくらいもらえるのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年5月18日 2時30分
-
30代で「年収300万円」の彼氏と結婚を考えています。2人で「世帯年収700万円」なら、都内でも暮らしていけますよね?
ファイナンシャルフィールド / 2024年5月17日 2時30分
ランキング
-
1本当は不要な出費だった…!トイレの修理代7万円が「0円だったかも」と言い切れるワケ
日刊SPA! / 2024年6月14日 15時51分
-
2夏の車の暑さ対策! フロントガラスにパッと開いて使う「3COINS」傘式サンシェードが便利すぎる
オールアバウト / 2024年6月14日 21時15分
-
3トラブル急増の美容医療、シワやたるみを取る施術で白内障の報告も…厚労省が有識者検討会設置へ
読売新聞 / 2024年6月14日 19時38分
-
4【カビ対策】「入浴後は浴室のドアを開けておく」はNGだった!? - 梅雨を快適に過ごす3つのポイントを解説
マイナビニュース / 2024年6月13日 15時13分
-
5すき家、18日に登場する“夏季限定の新商品”は牛丼ではなく… 「今年もやってきた!」と喜びの声も
Sirabee / 2024年6月12日 13時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)