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副業解禁、働き方の多様化で老後資金準備!ただし、『確定拠出年金』と『小規模企業共済』の併用はできる??

ファイナンシャルフィールド / 2018年11月20日 22時30分

副業解禁、働き方の多様化で老後資金準備!ただし、『確定拠出年金』と『小規模企業共済』の併用はできる??

「働き方改革」が推進される中、副業禁止だった会社もOKとなり、今までフリーランスで働いていた優秀な人材を「社員」として雇用するケースもあるようです。   そこで気になるのが所得税の控除対象になる制度の併用。   フリーランスの人たちは自分のお財布にはとても敏感ですから、節税効果のある制度には積極的にアンテナを張っています。   そのため、今までにはなかった角度でのお問い合わせも増えております。  

小規模企業共済とは

『小規模企業共済』という制度はご存知ですか!?  
 
国の機関である中小機構が運営する積み立てによる退職金制度のことです。
 
対象者は、小規模企業の経営者・役員・個人事業主などのためのものであり、2017年3月現在で全国133万人が加入しています。
 
この制度の歴史は長く、昭和40年から開始されました。
 
設立の趣旨は、小規模企業の経営者や個人事業主が廃業や退職の際に、その後の生活を安定させたり、再建させたりするための安心材のひとつです。
 
また、小規模企業経営者や個人事業主は、一般企業の会社員に比べて、社会保険や労働保険など各種制度の恩恵が少ないので、保障の不備を補充する機能があります。
 
そんな『小規模企業共済』にはお得なメリットが3つあるのです。
 
(1)掛金は「全額所得控除」
 
特に個人事業主にとっては節税効果が高いありがたい制度です。
 
掛金は1,000~70,000円まで。500円単位で自由に設定ができます。加入後の増減もOK。
 
(2)受取時の税制優遇
 
将来、退職・廃業に受取る際は「一括」「分割」「併用」(一括と分割の併用)が選択できます。
 
「一括」で受取ると退職所得の取り扱いに、「分割」で受取る場合は公的年金の雑所得となるので、税制メリットのおまけも。
 
ここまでは、確定拠出年金に似ていますね。
 
(3)低金利の貸付制度
 
確定拠出年金と大きく違う所は「低金利の貸付制度を利用できる」ところでしょう。
 
小規模企業共済には基本満期はありません。
 
退職時または廃業時に支払われるものですが、事業を運営している中でどうしてもお金が必要な時期というのがあるものです。
 
そのような時、下記の7種類の貸し付けをしてくれます。
 
即日貸し付けも可能。銀行の金利に比べたら大幅に低く、日本政策金融公庫での借り入れは審査が面倒ですから、それらを考えるといざという時の強い味方だと思います。
 

 

小規模企業共済は増えるのか?

低金利時代の今、貯金をしてもちっとも増えない通帳をみても楽しくないですね。
 
かと言って「投資をするのは怖い」という方もまだまだ沢山いらっしゃいます。
 
そんな方がまず一歩踏み出すのにも『小規模企業共済』は良い制度だと思います。
 
ただし注意が必要です。
 
・小規模企業共済は加入後6ケ月未満ですと元本割れが発生
・3年未満だと掛金と同額の払戻金
・3年以上では1.5%の利息がつく(2018年10月現在)
 
「石の上にも3年」ですから、個人事業主として志高く開業をしたのなら、3年は頑張る方が多いでしょう。
 
現在の預金に比べると随分と利率が良いのではないでしょうか。
 

確定拠出年金企業型・個人型(iDeCo)との併用

個人事業主の方にとって心配の種のひとつに、年金問題があるかと思います。
 
会社員の方には厚生年金はあるが、個人事業主にはない。
 
その補充として『小規模企業共済』がありますが、終身保障の厚生年金に比べると弱い。これが「長生きリスク」といわれるものでしょう。
 
その補充として注目を浴びているのが「確定拠出年金」です。
 
会社員の副業がOKになってきたのに並行して、優秀な個人事業主を社員契約する企業もあるようです。
 
もし、それまでに個人事業主として小規模企業共済に加入していた場合はどうなるのでしょうか? 答えは、そのまま継続できます。
 
個人事業主として廃業届を出すまでは小規模企業共済も併用できますのでご安心ください。
 
それに加えて、会社で確定拠出年金の企業型に加入できる場合はそちらへ加入する事もできますし、もちろん、個人型iDeCoへの加入も可能です。
 
併用することで、老後資金も潤沢になりますね。
 

各制度の特徴を活かして賢く増やす

時は既に「お金に働いてもらう」時代となってきました。
 
平成初期までは貯金でも6%位の利息がついていたのですが、今の時代では叶わぬ夢に。
 
個人のライフイベントに応じて、各制度に加入し、節税と資産運用とを賢く掛け合わせて資産を増やす工夫が必要です。
 
老後資金としては、確定拠出年金での運用が「節税・利回り」共に魅力ですが、老後まで引き出すことができません。
 
マイホーム・子供の教育資金・車や旅行などの目的がある人には「つみたてNISA」が魅力的でしょう。
 
また、個人事業主の方はいざという時に融資も受けられる小規模企業共済へ分散することで、投資の解約リスクが回避できます。
 
もうすぐ今年も終わります。
 
来年は年号も変わりますから、短期の予定だけではなく、人生の中長期計画もしっかり立てて、それに合わせた資産運用計画を固めてみてください。
 
Text:寺門 美和子(てらかど みわこ)
ファイナンシャルプランナー
 

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