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新NISAもiDeCoもやっていますが、同じ額を入れるよりも、どちらかの金額を多くしたほうがお得ですか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年5月22日 1時40分

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新NISA(以下、「NISA」といいます)とiDeCoの両方をやっている人は、「どちらも同じ額を入れるべきか」「どちらかの金額を多くするべきか」と悩まれる方もいらっしゃるでしょう。   この点については、現在NISAとiDeCoの両方をやっている方だけでなく、これからNISAやiDeCoを始めようとしている方も気になるところです。どうしたらよいかについて、本記事で解説しますので、ぜひ最後までお読みください。

NISAとiDeCoの比較ポイント

図表1は、NISAとiDeCoの特徴を簡単にまとめたものです。
 
図表1

NISA iDeCo
つみたて投資枠 成長投資枠
年間投資枠・
年間拠出限度額
120万円 240万円 27万6000円
(会社に企業年金がない
会社員の場合)
非課税保有限度額
(総枠)
1800万円 1200万円
(つみたて投資枠と
併用で1800万円)
投資商品 一定の投資信託 上場株式・
投資信託など
元本確保型商品・
投資信託
投資方法 積み立て 積み立て・一括 積み立て
税制優遇 運用益が非課税 (1)掛金が全額所得控除
(2)運用益が非課税
(3)受け取るときも所得控除あり
受取方法 口座から引き出し (1)年金方式
(2)一時金方式

ここで注目したいのは、以下の点です。
 

・年間の投資(拠出額)に限度があり、iDeCoのほうが大幅に少ないこと
・NISAには総枠の限度額があること
・投資方法が異なること
・iDeCoは掛金が全額所得控除になること
・お金を受け取るとき、NISAは預金と同じ扱いで課税されないが、iDeCoは所得扱い(年金方式=雑所得、一時金方式=退職所得)で優遇税制ではあるものの課税される可能性があること
・iDeCoを受け取るとき、年金方式なら「公的年金等控除」を、一時金方式なら「退職所得控除」を受けられること

 

iDeCoは節税効果があり、NISAは複利効果が大きい

以上のことから、NISAとiDeCoで運用成績に差がないことを前提とすると、iDeCoは掛金が全額所得控除になる分、掛金を拠出している期間は手取りが増える(所得税が減る)ため、NISAに比べて得であるといえそうです。
 
しかし、iDeCoは受取時に所得税が課税される可能性があります。年金方式で受け取る場合は雑所得となり、一時金方式で受け取る場合は退職所得になります。
 
それぞれ公的年金等控除、退職所得控除を受けられますが、所得税を納付することになれば、結局は課税の繰り延べをしたにすぎないともいえます。拠出時の節税分と受取時の課税分を比較して、前者のほうが多ければ、節税できた分、iDeCoのほうが得だといえます。
 
また、iDeCoの場合、投資方法が「積み立て」となり、一括投資ができるNISA(成長投資枠)と比較して不利になる可能性があります。例えば、以下のケースを比較してみます。前提として、どちらも年2%で複利運用するものとします。
 

〈ケース1〉毎年24万円ずつ積み立てながら、10年間運用した場合
〈ケース2〉1年目に240万円投資し、10年間運用した場合

 
〈ケース1〉の10年後の金額は、以下のとおりです。
 
24万円 × 10.95(年金終価係数)= 262万8000円
 
一方、〈ケース2〉の10年後の金額は、以下のとおりです。
 
240万円 × 1.219(終価係数)= 292万5600円
 
投資額(掛金)の合計は、どちらも240万円です。しかし、投資のタイミングの違いにより、得られる「複利の効果」にも差が生じます。この点からいえば、NISA(成長投資枠)のほうが得だといえます。
 

まとめ

「NISAとiDeCoでは、どちらが得か」と聞かれたら、「目的に応じて使い分けましょう」と答えるのが一般的でしょう。NISAの目的が資産形成であるのに対し、iDeCoの目的は私的年金だからです。
 
NISAもiDeCoも運用益が非課税になるため、どちらも得な制度です。そのうえで、どちらが得かを考えるのであれば、節税効果を取るか、複利効果を取るか、ということになるでしょう。
 
ただ、「同じ額を入れるか、どちらかの金額を多くするか」で迷われているのであれば、まずはiDeCoを掛金限度額まで利用するのがよいのではないでしょうか。iDeCoで得られる節税効果(所得控除)には、投資でいうところの「リスク」がないからです。
 
もし、まとまったお金をどうするか思案しているようであれば、NISAの成長投資枠を利用するのがよいかと思います。成長投資枠であれば一括投資ができ、複利効果を得やすいからです。
 
本記事では運用成績に差がないことを前提としましたが、投資先が異なれば、当然、「どちらがよいか」という比較はできなくなります。本記事が、NISAとiDeCoをどのように活用するかの参考になれば幸いです。
 

出典

金融庁 NISA特設ウェブサイト NISAを知る
国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト iDeCoってなに? iDeCo(イデコ)のメリット
国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト iDeCoってなに? iDeCo(イデコ)の加入資格・掛金・受取方法等
国税庁 高齢者と税(年金と税)
国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
 
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

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