老後破綻を防ぐ近道は、老後費用の把握!? 現在のお金の使い方と見直すキッカケ
ファイナンシャルフィールド / 2018年11月21日 22時30分
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皆さんは人生の3大出費をご存知でしょうか。教育費・住宅費・老後の費用です。この3つを上手にクリアするには、まず老後の費用を概算で把握して老後にも備えながら、教育費・住宅費の支出をしていくことです。 老後破たんを防ぐためにも、老後の費用をおおまかにつかんでおく必要があります。その基本的な考え方をお伝えします。そして現在のお金の使い方がこのままでよいのかを、見直すきっかけにしていただければと思います。
人生を逆算する
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老後の費用を考えるには、人生を逆算することから始めます。実際にはいくつまで生きられるかは誰にもわかりませんが、生きるであろうと思われる年齢を仮定して、それに基づいて計算します。
人生100年の時代ですので、100歳まで生きると仮定することも一つの考え方です。平均余命までと考えれば、男性は80歳、女性は88歳とするのが現実的かもしれません。
将来的には、平均余命もさらに延びることが考えられるので、ここでは男女ともに90歳まで見積もるとします。
仮に現在40歳の方ならば、90歳まであと50年間あります。今後50年間の収支が均衡になるようにするためには、収入がなくなる年金生活になるまでにいくら貯めればよいのかを計算し、現在の使いすぎを防ぐことです。
「ねんきん定期便」とねんきんネットの違い
20歳以上の方は、国民年金に加入しますが、これに伴い「ねんきん定期便」というお知らせが、毎年書面で誕生月に日本年金機構から郵送されます。年金保険料の支払い記録と将来もらえると予想される年金額が表示されています。
ただし、50歳以下の方は、「ねんきん定期便」に記載されている年金額は、あくまで現時点まで納めた保険料に対する金額であり、今後も同じペースで保険料を支払い続けるとどうなるか、という予想額ではありません。
つまり仮に今すぐ退職をして、以降60歳までずっと保険料を納めずにいた場合の65歳からもらう年金額という意味になります。
現職で60歳まで働いた場合の年金額は、専門家であれば計算できますが、一般の人が計算するのは困難です。年齢が若い人ほど実際の老後にもらえる年金額との乖離は大きく、老後の費用を算出するには不都合な数字です。
そこで利用したいのが、ねんきんネットです。
今後の就労状況などを仮定して入力すると、65歳からもらえる年金額を試算してくれる機能があることが大きな特徴です。これなら若い方でも将来自分の年金額をある程度把握することができますし、途中で転職などをして状況が変わっても試算しなおすことができます。「ねんきん定期便」の情報はいつでもねんきんネットで閲覧でき、紙情報のように紛失の心配もありません。
基礎年金番号等がわかれば、インターネットで登録することができます。
年金額から老後の費用を計算
では、具体的にどう算出すればよいのでしょうか。夫婦の場合は、それぞれねんきんネットから年金額を試算したものを合計して考えます。
例えば、夫200万円、妻100万円だった場合に、家計の年金収入合計は300万円になります。
現在、月いくらで計算しているかを把握したら、そこから65歳時点で必要なくなるお金(例:子供の教育費、住宅ローン、定期保険料など)を差し引きます。
差し引いた金額が、例えば月30万円だったとします。
年間にかかる費用は360万円ですので、家計合計の年金額300万円では年間60万円が不足することになります。
一般には年金は65歳からもらいますので、90歳まで生きると仮定すると年金生活は25年間になります。年60万円が不足する生活が25年間続くのであれば、60万円×25年間=1,500万円となり、65歳時点で必要な貯蓄額は1,500万円という結論になります。
これは、単純に年金では足りない生活費の補てんとして貯蓄を切り崩す金額です。医療費・介護費用・老人ホームへの入居一時金などは含まれませんので、必要に応じて上記金額に加算するとよいでしょう。
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Text:岩永 真理(いわなが まり)
一級ファイナンシャル・プランニング技能士
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