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老後「貯蓄ゼロ」の割合は20%超!? 60代の「平均・中央値」についても解説

ファイナンシャルフィールド / 2024年5月23日 5時20分

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定年が近づくと、老後の生活に不安を感じることが増えてくるのではないでしょうか。年金や退職金の金額、予想される生活費などを確認し、早めに生活設計をしておくことが大切です。その際にポイントとなるのは「貯蓄」であり、定年の段階でどれだけ貯蓄しているかによって、その後の資金繰りは大きく変わってきます。   老後資金については、かつて「2000万円必要」といわれたことがありますが、2000万円貯蓄している人がどれだけいるのか疑問です。   そこで本記事では、多くの人が定年を迎える60代における金融資産と借入の状況について解説します。全体の傾向として、生活設計をするうえで参考にしてみてください。

60代の金融資産の平均値は2026万円、中央値は700万円

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査) 令和5年調査結果」によると、世帯主が60歳代の世帯の金融貯蓄額の平均値は2026万円です。
 
ただし、平均値は少数の高額資産保有世帯が大きく引き上げることがあるため、より実感に近い中央値で見てみると700万円となっています。
 
全世代(20歳代~70歳代)で見ると平均値は1307万円、中央値は330万円なので、若い世代に比べると60代は金融資産を多く保有しているようです。
 
なお5年前の調査では、60歳代世帯の平均値は1849万円、中央値は1000万円でした。このことから、5年前に比べて高額資産保有世帯とそれ以外の世帯との貯蓄額の差が広がっていると考えられます。
 

貯蓄ゼロの人は21%、借金のある人は14%! 老後に厳しい現実

一方で、60歳代世帯で預貯金がない、または預貯金はあるが運用や将来の備えとしてのものはないと答えた人を合わせた「金融資産を保有していない」世帯は全体の21%で、5世帯に1世帯は預貯金を含む金融資産がないという結果でした。
 
また、60歳代世帯で借入金がある世帯の割合は14.1%で、そのうち借入額の平均値が1099万円、中央値は300万円です。借入の目的は「住宅の取得または増改築などの資金」(住宅ローン等)が43.1%と最も多く、次いで「その他」20.8%、「日常の生活資金」20.1%と続いています。
 
このことから、一部の60代では老後資金を貯蓄できておらず、日々の暮らしに必要な資金をまかなうことも難しいという状況が起きていると想像できます。
 

年金だけでは厳しい老後資金は貯蓄の有無がカギ

金融庁が2019年に発表した「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 」によると、平均的な高齢者夫婦無職世帯では年金等を受給しても毎月約5万円の赤字が生じるため、個人が保有する金融資産から補填(ほてん)することが必要と提言しています。
 
これが「老後2000万円問題」につながるわけですが、国が自ら「足りない分は金融資産から補う」としていることが注目されます。このことからも、老後の生活のためには貯蓄がいかに重要かが分かるでしょう。
 

まとめ

日本人の平均寿命は男性が81.05歳、女性が87.09歳と、老後といわれる期間は以前より長くなり、その分必要な老後資金も増えることになります。老後を安心して暮らせるように少しでも貯蓄が増えるよう心がけ、備えておくことが大切です。
 

出典

金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)令和5年調査結果
金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」
厚生労働省 令和4年簡易生命表 主な年齢の平均余命
 
執筆者:根本由佳
FP2級、中小企業診断士

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