彼氏から「昇給がないからずっと年収350万円のまま」と言われました。私は年収400万円ですが、結婚しても「共働き」なら安泰でしょうか? 育休中のことを考えると不安です…
ファイナンシャルフィールド / 2024年5月25日 5時20分
結婚を考えている交際相手がいる場合、早い段階からお金について話し合うことをおすすめします。お金は生活を送り、人生設計をするうえで常に付きまとう問題である以上、価値観のすり合わせや年収・貯蓄の展望を行うべきです。 今回は、結婚を真剣に考えている交際相手である彼氏から「昇給がないからずっと年収350万円のまま」と言われたときの対策について解説します。
生涯・年収350万円の彼氏と生涯・共働きする女性に関するデータは?
Aさん(30歳女性)は、結婚を真剣に考えている彼氏がいます。将来に向けて価値観のすり合わせやお金の計画を立てたいと思い、話し合いの場を設けたところ、彼氏から「今の勤務先は昇給がないから、年収はずっと350万円のままである」旨を伝えられました。
国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、30歳代の平均年収は以下のとおりでした。
●30~34歳:425万円
●35~39歳:462万円
現状、彼氏の年収は平均を下回っており、Aさんは「このままで大丈夫だろうか?」「子どもを産んでも問題なく生活できるだろうか?」という不安を感じたそうです。
なお、彼氏は現在の仕事にやりがいを感じており、転職する気はないとのこと。彼氏はお金のリテラシーが高いとはいえず、結婚には前向きではあるものの、「お金については先輩たちも結婚しているから大丈夫だろう」と軽く考えているそうです。
Aさんも現在正規雇用で就労しており、年収は400万円程度です。ただし、出産後は収入が減る可能性が高いうえに現在の仕事を続けられる保証もないことから、「年収350万円の夫だけで生活を送れるか不安」「共働きを継続しなければ困窮するかも」と感じています。
経済的に困窮しないための対策
現在の状況を受けて、Aさんが行うべき対策や彼氏と共に意識すべきことを解説します。
Aさんは育児休業後も復帰する前提で働く
内閣府男女共同参画局の「結婚と家族をめぐる基礎データ」によると、ここ数年は雇用者の共働き世帯が増えています。一方で、専業主婦世帯数は右肩下がりで減少しているため、男性女性問わず「できるだけ働き続ける」人が増えていることがわかります。
また、配偶者がいる女性の有業率は以下のとおりです。
●25~34歳:80.9%
●35~44歳:78.6%
●45~54歳:73.4%
●55~64歳:65.6%
●65歳以上:11.2%
65歳以上になると有業率は下がるものの、その他の年代では有業率が65%を超えています。近年は女性の社会参加や企業の人手不足という状況もあり、就労しやすい環境となっています。
彼氏の年収は残念ながら平均を下回っており、本人に転職の意思がない以上、Aさんもできるだけ長く働く意識を持つと良いでしょう。今後出産することがあっても、出産手当金や育児休業給付をフル活用すれば、働けない期間にある程度備えられます。
また、昨今は多くの企業が人手不足の状況にあることから、「育児休業が明けたら復帰してほしい」と考えているところも少なくありません。そのため、出産を経た後も正規雇用で働ける可能性が見込めるでしょう。
家事と育児は協力して行う
子どもが誕生したら、夫婦が協力して効率的に家事と育児をこなす工夫も必要です。Aさんに家事や育児の負担が偏ってしまうと、ストレスを抱えて働く気力や体力を失いかねません。
もし家事や育児が原因で離職してしまうと、Aさんの収入は失われてしまいます。その結果、年収350万円で家族3人暮らしを強いられることから、経済的に困窮するリスクが高まるでしょう。
まとめ
結婚後の生活で経済的な不安を感じないようにするには、基本的に「可能な限り共働きの状態を持続させる」ことが大切です。
年収350万円という数値は、データ上は平均以下の状態です。もしAさんが離職して専業主婦になると、経済的にかなり苦しくなる事態が想定されます。
近年は結婚後も共働きを継続する夫婦が増えており、女性の有業率も高まっているため、「働く意思があれば働ける雇用情勢」と言えるでしょう。
夫婦がそれぞれ長く働くためにも、結婚後は家事や育児を協力して行う意識を持つことをおすすめします。
出典
国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
内閣府男女共同参画局 結婚と家族をめぐる基礎データ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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