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社会の時間に習った「貿易」。実際、日本では貿易によってどれだけの利益を出しているのですか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年5月26日 8時0分

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日本は、世界でも有数の貿易大国と呼ばれています。しかしニュースや新聞では、日本の貿易が赤字だと伝える内容を見る機会も少なくありません。これはどのような事態なのか気になる方も多いでしょう。   その疑問を解決するために、今回は日本の貿易の現状と国内の貿易が抱える問題について解説します。

日本の貿易収支はマイナスが多い

日本は、中国・アメリカ・ドイツに続く世界第4位の貿易大国と呼ばれています。しかし、財務省が発表した「令和4年度分貿易統計(速報)の概要」によると、2022年の貿易収支は21兆7285億円の赤字となっています。
 
なお、その内訳は輸出額が99兆2265億円、輸入額が120兆9550億円です。輸出に対して輸入が大きく上回っていることが分かります。
 
その上、貿易赤字は通算2年連続となっています。
 

令和元年から4年間の貿易収支

令和元年から令和4年までにおける貿易収支の結果は、以下の表1の通りです。
 
表1

輸出 輸入 差引
令和元年 75兆8788億円 77兆1724億円 -1兆2936億円
令和2年 69兆4854億円 68兆4868億円 9986億円
令和3年 85兆8737億円 91兆4603億円 -5兆5866億円
令和4年 99兆2265億円 120兆9550億円 -21兆7285億円

※財務省「報 道 発 表 令和4年度分貿易統計(速報)の概要」を元に筆者作成
 
上記のデータから、日本の貿易収支は赤字が多く、プラスに転じてもわずかな金額であることが分かります。
 

日本は加工貿易大国

そもそも戦後の日本は、海外から原油や工業材料など資源を輸入したものを加工して成長を遂げた「加工貿易」の国家です。それは現在も変わらず、日本は毎年、海外から多くの材料を輸入して、製品化したものを輸出しています。
 
代表的な製品には、自動車や半導体が挙げられます。これらの製品は国内の資源で賄いきれないため、海外から原料を輸入して製品化し、海外に売っているのです。
 
日本は他国よりも国土が狭く、資源に乏しい国です。特に食料の自給率は海外に頼っている部分が大きく、令和4年の自給率(生産額ベース)は58%といわれています。全食料のおよそ半分を海外に頼っている計算のため、日本にとって物の輸入が大切なことがよく分かります。
 

日本の貿易が抱える問題

次に、日本の貿易産業が抱える問題について解説します。
 

産業の空洞化

産業の空洞化とは、国内の企業が海外拠点を重視しすぎて、国内の製造工場が極端に減ることを指します。産業の空洞化は雇用の減少を招き、失業率の増加や経済の萎縮を招くといわれています。
 
実際に、製品の海外生産比率は1989年以降上昇する傾向にあります。海外拠点で安く生産することは、消費者が安くて品質のよいものを買えるようになるため、悪いことだとは言い切れません。しかし、極端にその傾向が強くなると、産業の空洞化を招いてしまう恐れがあるのです。
 

貿易摩擦

貿易摩擦とは、国家間の輸出入のバランスが崩れて、外交問題や関税の強化などさまざまな問題が生じることです。基本的にすべての国は国家間で貿易摩擦が生じないよう、協定の締結や民間の自主規制といった対策を講じており、バランスを保つよう動いています。
 
近年では、2018年にアメリカが中国に対して25%の関税を適用し、互いに報復関税の引き上げを繰り返す「米中貿易摩擦」が発生しました。このように、貿易はデリケートな領域のため、摩擦が生じると国同士の問題にまで発展する可能性があります。
 

日本の貿易赤字は深刻化している

海外輸入の依存率が高い日本は、貿易の状況が一変すれば途端に大きな問題が生じます。現状は貿易赤字が直接的に生活へ影響していませんが、今後も続くとは限りません。貿易に対して知見を深めれば、国際情勢が見えてくるでしょう。
 

出典

財務省 報 道 発 表 令和4年度分貿易統計(速報)の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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