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退職金にも税金はかかる だからこそ、事前に知っておきたい退職金の税金

ファイナンシャルフィールド / 2018年11月25日 9時30分

退職金にも税金はかかる だからこそ、事前に知っておきたい退職金の税金

長く勤めた会社から退職金をもらった時、それにどのくらい税金がかかるかとても心配ですよね。   退職金は、これからの老後の大事な資金。少しでも引かれる税金は抑えたいものです。  

退職金(一時金)は分離課税

退職金には、所得税と住民税がかかってきます。
 
この税金は、他の所得とは区分して、退職金だけで税額を計算します。このように、他の所得と分離して、退職金だけで税額を計算する方法を「分離課税」と言います。
 
日本の所得税の計算は、所得金額が大きくなるにつれて段階的に税率が高くなる「超過累進課税率」を使いますので、基本的には分離課税のほうが総合課税よりも有利になります。
 

退職所得金額の算出方法

まず、退職金の収入金額から「退職所得」を計算します。計算式は次の通りです。
 
退職所得の金額=(退職金の収入金額-退職控除額)×1/2
 
※特定役員退職手当など(勤続年数5年以下の役員等)の場合は1/2を掛けません。
 
次に退職控除額の計算式を見てみましょう。
 勤続20年以下の場合は、40万円×勤続年数(最低80万円)
 勤続20年超の場合は、 800万円+70万円×(勤続年数-20年)
※勤続年数1年未満の端数は切り上げ。(退職金は優遇されていますね。)
※障害者になったため退職した場合は退職控除額に100万円が加算されます。
 
退職所得控除の計算式は、簡単に言うと「勤続20年以下の場合は毎年40万円の控除があり、勤続20年超からは毎年70万円の控除がある」ということです。
 

設例

では、実際に計算してみましょう。
 
Aさん(役員ではない)の退職金は3000万円で、勤続年数は38年1ヶ月でした。この場合の税金はいくらになるのでしょうか?
 
まず勤続年数は繰り上げて39年になります。
 
退職所得控除は、800万円+70万円×(39年-20年)=2130万円
退職所得は、(3000万円-2130万円)×1/2=435万円
 
次に所得税を計算します。
 
所得税額には現在2.1%の復興特別所得税がかかってきますので20%が20.42%となっています。
435万円×20.42%-43万6477.5円=45万1792円(1円未満切り捨て)
 
次に住民税の計算をします。
 
435万円×10%=43万5000円になります。
通常住民税の所得割については前年の所得にかかってきますが、退職金にかかる住民税については、所得税と同様退職金をもらった年にかかります。
 
このように退職一時金にかかる税金はずいぶん優遇されていることが分かります。

 

退職所得の受給に関する申告書

退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を提出している場合は、所得税と住民税が退職金から天引きされますので、確定申告の必要はありません。
 
しかし暦年の途中で退職する場合は、退職するまでの給与収入について確定申告が必要になりますので、注意してください。
 

退職一時金か退職年金か

退職金を一時金か年金か選択ができる企業もありますが、年金は雑所得ですので、退職所得のように優遇されていません。しかし、定年後仕事をしないのであれば、所得自体が低くなりますので、年金でもあまり税金がかからない可能性があります。よく税金の試算をしてみてください。
 
退職金を、一時金と年金に分割できる会社にお勤めの場合は、退職金を年金でもらおうと思っている人も、退職所得控除部分は一時金でもらったほうがいいのではないでしょうか。退職所得控除は、38年勤務で2060万円となり、この部分の税金は0(ゼロ)です。これは有効に活用したいですね。
 
ここまで税金の算出方法についてご紹介してきましたが、税金を自分で計算してみるのはなかなか難しいものです。自分で算出するのが困難な場合は、年金機構のHPから照会してみたり、勤務先の会社や税務署、税理士やFPなどの専門家に相談してみてください。

 
Text:北山茂治(きたやま しげはる)
高度年金・将来設計コンサルタント

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