予防接種費用は医療費控除の対象になる? マスクやうがい薬、消毒液は?
ファイナンシャルフィールド / 2024年5月30日 11時50分
医療費控除は、1年間に支払った医療費が一定基準を超えた場合、確定申告をすることで課税対象の所得から超過分の医療費を控除して税金の一部を還付してくれるので、利用したほうがお得です。 ただし、医療費控除はすべての薬や治療が対象となるわけではないので、確定申告できるものとできないものを事前に覚えておくと手続きがスムーズになります。 そこで本記事では、医療費控除の対象・対象外について詳しく解説していきます。医療費控除と選択可能なセルフメディケーション税制も併せて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
確定申告で医療費控除の「対象」となるもの
国税庁によると、医療費控除の対象で確定申告をすれば税金が還付される可能性がある費用は、以下の通りです。
・医師や歯科医師による診療・治療費用
・治療や療養に必要な医薬品の購入費用
・病院、診療所、介護老人保健施設などへ支払う入院費用
・あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師への施術費用
・保健師、看護師、准看護師などへの世話代
・助産師による分べん介助の対価
・介護保険等制度で提供されるサービスの自己負担額
・診療や治療を受けるために必要な医療器具などの購入費用
・日本骨髄バンクへ支払う骨髄移植のあっせん費用
・日本臓器移植ネットワークへ支払う臓器移植のあっせん費用
・特定保健指導に関する費用
確定申告で医療費控除の対象となるのは、「診療」や「治療」を受けるために必要となる費用です。医療費控除は200万円を上限として、1月~12月までの1年間にかかった10万円以上(所得金額が200万円未満の場合は所得金額×5%)の医療費を対象としています。
また控除額は、「1年間に支払った医療費」-「保険・高額療養費などで補填される金額」-「10万円」で算出されます。
確定申告で医療費控除の「対象外」となるもの
医療費控除の対象外は、主に以下のような費用です。
・予防接種の費用
・マスク
・うがい薬
・消毒液
・コンタクトレンズの購入費用
・脱毛症の植毛や育毛費用
・健康診断や人間ドックの費用
・脱毛費用
・美容整形
・エステ代
予防接種、マスク、うがい薬など予防ケアを目的としている医療費は、医療費控除の対象にはならないので注意をしましょう。また、美容目的の場合も医療費控除の対象外となる点に気をつけましょう。
セルフメディケーション税制も選択可能
確定申告では、医療費控除のほかにセルフメディケーション税制を選択することもできます。セルフメディケーション税制は「医療費控除の特例」であり、スイッチOTC医薬品(医療用から市販品へ転用された医薬品)を年間1万2000円以上購入した場合、最高8万8000円までの限度額内で所得控除を受けられる制度です。
セルフメディケーション税制を受けられる医薬品は、パッケージにセルフメディケーション税制のマークがついており、簡単に見分けられます。
ただし、セルフメディケーション税制は医療費控除と併用することはできません。そのため、その年にかかった医療費が多ければ医療費控除、少なければセルフメディケーション税制を選択するなど使い分けるとよいでしょう。
「予防」や「美容」は医療費控除の対象外なので注意が必要
医療費控除は、診察や治療を目的とした年間10万円以上の医療費が対象としており、「予防」や「美容」を目的にした医療費は対象外なので、注意が必要です。またセルフメディケーション税制対象の医薬品を年間1万2000円以上購入した場合は、セルフメディケーション税制を選択して所得控除を受ける方法もあります。
医療費控除は最高200万円、セルフメディケーション税制は最高8万8000円まで所得控除できるので、確定申告を賢く利用して節税しましょう。
出典
国税庁 医療費控除の対象となる医療費
厚生労働省 セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ホリエモン「これをやらないやつはアホ」…申請すれば誰でも得をする「最強の節税術」の知られざる効果
プレジデントオンライン / 2024年9月28日 7時15分
-
【3】今すぐできる「医療費」の節約ワザ7つ!ちょっとのコツでお得に
ハルメク365 / 2024年9月22日 20時0分
-
海外旅行中に医療機関で治療を受けました。支払った医療費は「医療費控除」の対象になりますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年9月8日 6時0分
-
【1】お金のプロに聞く!「医療・入院費」はこれだけあれば大丈夫
ハルメク365 / 2024年9月5日 20時0分
-
「もったいない」医療費をしぶった妻が知った真実 診察代や薬代を抑え、適切な治療を受けるコツ
東洋経済オンライン / 2024年9月1日 8時0分
ランキング
-
1「90円はなかなか」夢洲駅までいくら? 大阪メトロの運賃が明らかに 一日券は使えない!?
乗りものニュース / 2024年9月28日 17時12分
-
2【どうして?】ブレーキを踏んでいないのに…ブレーキランプがつきっぱなし 「バッテリー上がりや思わぬ事故の原因に」整備士が対処法を解説
まいどなニュース / 2024年9月28日 7時32分
-
3YouTubeプレミアムに「月額1680円」支払っている人は要注意!? 申し込みが「アプリ」と「ブラウザ」で年4800円の差になる場合も! 申し込み方法で料金が異なる“サブスクサービス”を解説
ファイナンシャルフィールド / 2024年9月28日 5時10分
-
4「ブラックホール」で"時が止まる"は本当なのか? 何でも吸い込む「天体のラスボス」7つの不思議
東洋経済オンライン / 2024年9月28日 9時0分
-
5アングル:AIで急増する米国の電力需要、原発活用の高い壁
ロイター / 2024年9月29日 8時6分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください