「中学受験」が当たり前の東京育ちのママ友に驚き! 私の地元では「受験なし」が普通だったのですが、「年収450万円」のわが家でも受験させるべきですか? 大学受験の負担が少なくなるでしょうか…?
ファイナンシャルフィールド / 2024年5月31日 4時30分
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小学生の子どもがおり、中学受験を検討している・したことがあるという家庭も珍しくないでしょう。しかし、費用面において中学受験するか・しないかは悩ましい問題です。そこで本記事では、中学受験するかどうかを決めるときのお金の考え方を整理していきます。
首都圏の私立・国立中学受験者数は「過去最多」に
首都圏模試センターによると、2023年の首都圏における私立・国立中学校の受験者数は過去最高の5万2600人でした。2024年は微減したものの受験率は過去最高の18.12%を記録するなど、中学受験熱は高まりを見せています。そのような環境で、小学3年生の娘を持つAさん(都内在住)がお悩みを寄せてくれました。
東京では中学受験が普通?
Aさん自身は小学校から高校まで地方の公立校で学び、現在は夫と娘の3人で都内に在住しています。
「いま住んでいるところは徒歩圏内に公立中学が複数あり、学区に関係なく自由に選択できます。公立中学が充実しているから中学受験は必要ないと思っていました」
娘にも自分と同じく公立中心の進路を考えていたAさんですが、小3娘と中2息子がいるママ友・Bさんの言葉で考えが揺らいでいるようです。
「Bさんの話では、高校から入れる女子校が減っているらしいのです。しかも学力上位層が抜けてしまうため、公立中学の質は不安定とも聞きます。東京は私立中学の選択肢が豊富なのだから、受験しないのはもったいないとBさんは言います。
その話を聞くとうちの子にも中学受験をさせたいけれど、世帯年収450万円のわが家がどこまでやれるか不安です。Bさんの娘はすでに中学受験専門塾に通っています。上の子の受験では家庭教師も併用したといい、上の子は無事志望校に受かり、今夏は学校主催の海外研修に参加するそうです。
我が家は塾の月謝と私立中学の学費は工面できても、家庭教師や海外研修費まで出せる自信がありません。お金の心配がなければ、すぐにでも中学受験に向けて動き出したいのですが……」
中学受験に魅力を感じているものの、経済面でAさんの不安は尽きません。
Bさんが指摘するとおり、都内では高校募集を停止する中高一貫校が相次いでいます。私立女子校については、2022年度より豊島岡女子の高校募集が停止しており、女子トップ層が狙える女子高は慶應女子だけとなりました。
首都圏で中学受験者数が増加しているのは、このような背景も理由の一つと思われます。
中学受験とその後にかかる「お金」をチェックしよう
中学受験を考えたとき、3年間の塾代は200万円~300万円にもなると言われています。そのうえ入学後にもさまざまな費用がかかるので、それを踏まえた資金計画が欠かせません。
文部科学省の調査によると、学校種別の学習費総額は次のようになりました。
公立中学校:53万8799円(うち学校教育費 13万2349円)
私立中学校:143万6353円(うち学校教育費 106万1350円)
これは1年間の金額なので、私立中学に進んだ場合は3年間で約430万円が必要となる計算です。このほか、海外での学習プログラムや寄付金など、任意の費用が発生するのも私立中学の特徴です。
なお、学校外活動費は公立中学・私立中学のいずれも約36万円でした。公立中学は高校受験に向けた塾代などが発生しますが、私立中学に進んでも同様に学校外活動費が発生していることがわかります。
進学後も塾代が発生することも
面倒見の良さを売りにし「大学受験のため塾に通う必要はない」とする私立中学は少なくありません。しかし、文部科学省の調査からもわかるように私立中学でも塾代など学校外活動費がかかる場合があります。
私立中学は授業の進度が速く内容も難しいので、勉強が遅れてしまうと塾に頼らざるを得ないシーンが生じるかもしれません。また、学校のレベルが子どもの学力より低いときにも注意が必要です。学校で提供される教育だけでは物足りなく感じれば、子ども自身が塾通いを望むのもよくあるケースのようです。
東京は高校募集も多い
中高一貫校の高校募集停止ばかり目立ちますが、反対に高校募集を再開した女子校もあります。近年では、麹町学園女子や中村学園女子、和洋九段女子(グローバルコース)などの伝統校が高校募集を再開しました。
男女共学や都立高校にも着目してみましょう。朋優学院や東洋のように、難関大の合格実績豊富な高校単独校があります。
さらに都立高校では、日比谷や戸山、八王子東などで小学生向けの学校説明会を開催する動きも見られています。そもそも、私立中学へ実際に進学するのは東京全体で2割程度です。中学受験率の高い都内でさえ、高校受験が多数派であることは知っておきたいポイントです。
まとめ
大学受験を考慮すると、6年かけてじっくり学べる中高一貫校が有利な側面は否定できません。しかし、難関大への合格実績が急伸している高校単独校が充実しているのも東京の特徴です。中学受験は経済的に難しいなら、英語や中学数学の先取りに取り組みながら高校・大学受験に備える方針も検討してはいかがでしょうか。
出典
首都圏模試センター 私立・国立中学校の受験者総数
文部科学省 結果の概要-令和3年度子供の学習費調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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