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年金の振込額がたったの5万円でした。若いときからずっと払ってきたのに。一体、何が起きたのでしょう?

ファイナンシャルフィールド / 2024年6月1日 10時30分

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「年金が毎月〇〇円くらいあるから、△△円貯蓄しておけば安心して生活できる」と試算して準備していたのに、年金額が見込みよりも少なくてショックを受けた人も多いでしょう。年金は加入していた年金保険の種類によっては支給額がそれほど多くなく、また、見込み額がそのまま手取り額となる仕組みでもありません。   本記事では、年金額が思っていたより少ない場合に考えられる理由や、年金の手取りを増やすポイントについて説明します。

国民年金のみの場合の年金受給額は最大でも月6万8000円(令和6年)

表題の人が現役時代にどのような働き方をしていたのかは不明ですが、若いときから現役を退くまで欠かさずに年金保険料を支払ってきたのにも関わらず年金額が少ない理由として、受給できる年金が老齢基礎年金(国民年金)のみのケースが考えられます。
 
日本の年金制度は老齢基礎年金と老齢厚生年金の2階建て構造で、老齢厚生年金を受給できるのは会社員や公務員として厚生年金保険に加入していた期間がある人だけです。自営業者・個人事業主は厚生年金保険に加入できないため、老後の公的年金は老齢基礎年金のみとなります。
 
老齢基礎年金の金額は、加入可能期間の上限である40年間欠かさずに国民年金保険料を納めた場合でも、月額6万8000円(令和6年度の場合)しかありません。40年間会社勤めをして老齢厚生年金もあわせて受給できる人と比べると、受け取れる年金額は格段に少なくなってしまいます。
 

手元にもらえる年金は保険料や税金が天引きされた「控除後振込額」

実は老齢年金は、保険料納付期間などから算出した年金額をそのまま受け取れるものではありません。実際に手元にもらえる金額は、あらかじめ保険料や税金が特別徴収によって天引きされた残りの「控除後振込額」です。
 
高齢者のほとんどが、何らかの公的年金を受給しています。そのため、その人が納めるべき保険料や年金を年金から徴収することで、金融機関などに納めに行く手間ひまの軽減や、自治体の収納の効率化が図られています。結果としてねんきん定期便などで把握していた年金の見込み額よりも実際の振込額が少なくなり、「こんなはずではなかった」と感じる人が多いのです。
 
なお、老齢年金から特別徴収される保険料や税金には、次のようなものがあります。

●国民健康保険料
●後期高齢者医療保険料
●介護保険料
●所得税
●住民税

何がいくら徴収されるのかは、所得や世帯の状況などによって異なるため、詳細は毎年6月に届く「年金振込通知書」で確認しましょう。
     

控除を利用して年金の手取りを増やそう

年金受給者も、所得税や住民税の計算時に、現役で収入を得ている人と同じように各種控除を利用できます。控除を適用すると税金の負担をおさえて手取り額を増やせるため、どのような控除があるのかを把握しておきましょう。
 
まず、忘れてはいけないのは「公的年金等の受給者の扶養親族等の申告」です。公的年金に対して各種扶養控除や配偶者控除、障害者控除を受けるには、その年で初回の公的年金等の支払日前日までに、公的年金等の受給者の扶養親族等申告書を提出しなければなりません。提出を忘れると、控除を受けるのに確定申告が必要となるため注意しましょう。
 
また、該当する場合には、確定申告をすることで医療費控除や生命保険料控除などの各種控除を受けられます。すでに徴収された所得税の還付を受けられたり、住民税が軽減されたりする可能性があるため、制度をしっかり活用してもらえるお金を増やしましょう。   
 

仕組みを理解して年金額の見込み違いに注意しよう

公的老齢年金には種類があり、受け取れる年金の種類によって、年金額が決まる仕組みに差があります。受給できるのが老齢基礎年金のみの場合は、若いころからずっと年金保険料を納めていたとしても、受け取れる金額はそれほど多くありません。
 
また、年金からは税金や保険料が天引きされるので、ねんきん定期便などで確認した見込み額と比べて手取り額が少なくなることがあります。仕組みを理解して、アテにしていた金額がもらえず生活に困ることのないよう注意しましょう。
 

出典

日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について
日本年金機構 年金から介護保険料・国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料・住民税を特別徴収するのはどうしてですか。
日本年金機構 年金振込通知書
日本年金機構 令和6年分 公的年金等の受給者の扶養親族等申告書
国税庁 A2-6 公的年金等の受給者の扶養親族等の申告
日本年金機構 扶養親族等申告書を提出しなかった場合はどうなるのですか。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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