入社5年目で「手取り20万円」だけど、初任給引き上げで「新卒社員」と同じ給与に!? 中堅社員はどうすべき? 給与を上げる方法も解説
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月1日 2時10分
近年ニュースなどで話題になっているのが、新入社員の初任給の高騰です。少子高齢化の影響などから人材不足を懸念する企業が、将来的にも安定した事業運営をするためにも、人材確保を大きな目的として初任給を引き上げているようです。 一方で初任給が引き上げられたため、既存の若手社員・中堅社員よりも、新入社員の給料のほうが高いという逆転現象が見られるようになりました。 本記事では、新入社員の給料が上がると起こり得る影響などを解説するので、気になる人は参考にしてみてください。
初任給を引き上げる企業が増加している
初任給を引き上げる企業は毎年増加しています。産労総合研究所の調査によると、2023年度には68.1%、2024年度には70.2%(2024年4月23日公表の中間集計)もの企業が初任給引き上げをおこないました。2024年度の中間集計では、大学卒が22万6341円、高校卒が18万9723円となっています。
初任給の引き上げの大きな目的は人材確保であり、少しでも給料の高い企業に就職したいと考える新卒者からすればとても良いことです。しかし、企業によっては既存社員の給料はそのままというケースも少なくありません。
そのため、すでにバリバリと働いている若手社員や中堅社員よりも、新入社員のほうが給料が高くなってしまい、既存社員のモチベーション低下などの問題が起きている企業もあるといいます。会社に貢献している自分のほうが安月給だと思えば、仕事に身が入らなくなるのも当然といえるでしょう。
若手社員・中堅社員が給料を上げるには?
既存社員が給料を上げるためには実績を残し、昇進・昇給をめざすのが基本です。他にも資格取得などに取り組んで自分自身のスキルアップを図ったり、社内で対応できる業務内容を広げたりすることが重要です。
しかし、このような取り組みをしても新入社員の給料を上回れないケースもあるといいます。まだ仕事も覚えていない新入社員には高い給料を支払っているのに、既存社員の給与制度は変わらない、そのような企業であれば納得のいく給料アップは期待できないかもしれません。
転職をする若手社員・中堅社員が増えている
近年は転職する若手社員・中堅社員が増えています。その理由には、キャリアアップを目指す以外にも、自分を正しく評価しない企業に対して不信感を抱いたというケースもあるようです。実績もない新入社員のほうが給料が高いなら、少しでも給料を上げるためにも転職を選択するという人が増えているのかもしれません。
近年では新卒で入社した会社でずっと働き続けるよりも、転職をしながらキャリアアップを目指すという考えを持つ人も珍しくないでしょう。
企業側からすると若手社員・中堅社員の転職が多くなると、せっかく育てた専門的な知識やノウハウを持っている人材が流出し、業務に影響が出る事態にもなりかねません。人材流出を防ぐためには、若手社員・中堅社員に配慮した給料制度や福利厚生の充実化が必要だといえるでしょう。
まとめ
近年では人材確保を目的に新入社員の初任給を引き上げる傾向にあり、企業によっては若手社員・中堅社員よりも高給となるケースもあります。
もし自身の待遇について不満を感じているなら、今の仕事で実績を残す以外にも、転職などの方法も視野に入れて考えてみましょう。長く働くためにはモチベーションは重要な要素になるため、自分が納得して働ける環境を探すことが大切です。
出典
産労総合研究所 2023年度 決定初任給調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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