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商業施設の駐車場の「とまれ」で停止せず走り抜けた車…!道路交通法違反になる?

ファイナンシャルフィールド / 2024年6月3日 3時10分

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ショッピングモールやスーパーなどの商業施設にある駐車場では、「止まれ」の文字や停止線をよく見かけます。   しかし、一時停止しないでそのまま進んでしまうドライバーがいます。なかには、そのような車にぶつかりそうになって危ない経験をした人がいるかもしれません。   一時停止は交通ルールの基本ポイントであり、「守らずに走り抜けてしまうドライバーは道路交通法に違反していて罰金対象になる」と考える人も少なくないでしょう。   そこで本記事では、商業施設内の駐車場における一時停止について、罰金対象になるのか調査しました。

道路における一時停止違反は原則「罰金」&「反則金」の対象

道路交通法第43条によると、道路標識などにより一時停止すべきことが指定されているとき、車両は道路標識などによる停止線の直前で一時停止しなければなりません。
 
違反した場合、第119条によると「三月以下の懲役または五万円以下の罰金」に処せられるおそれがあります。
 
また「指定場所一時不停止等違反」には、反則金が以下の通り定められています。

●大型車:9000円
●普通車:7000円
●二輪車:6000円
●小型特殊車:5000円
●原付車:5000円

このように道路交通法によると、一時停止しないドライバーは罰則対象になっています。
 

施設の駐車場内にある標識は「法律外」⁉

では、商業施設内の駐車場にも道路交通法がそのまま適用されるかというと、必ずしもそうとは言い切れないようです。
 
道路交通法の第2条1項には「道路」の定義を以下のように定めています。

●道路法第2条第1項に規定する道路
●道路運送法第2条第8項に規定する自動車道
●一般交通の用に供するその他の場所

ある場所が同条の定める「道路」に該当しない場合は、一時停止に関する法律をそのまま適用できないケースも考えられるでしょう。
 
今回のケースのような商業施設の駐車場は、国や各自治体が所有する道路(公道)というより、企業が管理する「私道」「私有地」といえます。そのため、道路交通法の適用対象外と判断される可能性があります。
 
また「止まれ」や停止線などの標識は、商業施設が独自に設置したものであり、「法的拘束力をもたない」と解釈されるかもしれません。
 

駐車場が「道路」とみなされるケースもある

公道と私道の扱われ方は異なるものの、「商業施設の駐車場が道路交通法における第2条1項で定められた道路に当たる」と解された裁判事例があります。
 
少し古いデータにはなりますが、平成14年10月23日に行われた「道路交通法違反被告事件」では、「駐車場の一部が道路交通法2条1項1号の道路に当たるかどうか」が争われました。
 
本事件では、被告人が無免許運転かつ酒気帯び運転などを駐車場にて行ったことで罪に問われていました。裁判所は該当駐車場が、同項目にある「一般交通の用に供するその他の場所」に当たるとして、最終的に被告人を有罪にしています。
 
裁判所は、該当駐車場は不特定多数の人や車両が自由に通行できる場所として提供されており「同所は道路に当たると解するべき」と結論しました。
 
今回のケースは一時停止に違反する事例ではありませんが、上記のように「私道」や「私有地」とみなされる駐車場でも、道路交通法の適用対象と判断される場合があるということです。とはいえ本事件の一審判決では、「該当駐車場が道路交通法第2条1項の道路に当たらない」としており、裁判所の判断が異なる可能性も示しています。
 

駐車場も「道路」になりえる! 標識の意味を考えて安全運転を

商業施設の駐車場は、道路交通法の適用対象となるケースもあれば、ならないケースも考えられます。
 
いずれにしても一時停止に関する標識は、その場所にひそむ危険に注意喚起する目的で設置されていると思われます。各ドライバーが、安全標識に注意を払って事故防止につなげましょう。
 

出典

デジタル庁e-GOV法令検索 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)
  第二条1項、第四十三条、第百十九条

裁判所 下級裁判所 裁判例速報  平成14(う)974 道路交通法違反被告事件
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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