定年後に陥りやすい「居場所がない問題」そんなシニア男性の現実的な解決策は?
ファイナンシャルフィールド / 2018年11月26日 9時0分
定年を迎えた元サラリーマンにお話を聞くと、「居場所がないのがつらいのが一番」といいます。 これまでは「会社」に居場所がありました。しかし、家庭には居場所がないのです。 朝会社へ出かけ、夜家に帰ってきた旦那が朝から一日家にいる……。 奥さんの視線に耐えきれず、図書館などに避難する人も少なくないそうですが、そんな生活はつらそうです。 定年後は、自分の“居心地のいい居場所”を確保するのが切実な問題なのですね。
ストレスが高い男性は“居心地のいい居場所”が少ない?
株式会社メディプラス研究所の調査(※)によると、やはり『高いストレスを感じている人は“居心地のいい居場所”が少ない傾向』が出ているようです(分析データは厚生労働省の「ストレスチェック制度の健康状態項目」を基に独自加工して、点数化)。
しかも、定年60歳を境に、顕著な違いが出てくるようです。
ちなみに“居心地のいい居場所”とは人それぞれ。
同調査では「大切な家族」「自宅・自室」といった家庭内であったり、女性では「何でも話せる長年の友人」、男性では「自然」「やりがいのある仕事」だとしています。
つまり、男性は仕事つまり会社の場がそうであることが読み取れます。
■“居心地のいい居場所”の有無
・20~59歳男性
ストレスレベルが高い 居場所数 0.7
ストレスレベルが低い 居場所数 1.6
・60~69歳男性
ストレスレベルが高い 居場所数 0.4
ストレスレベルが低い 居場所数 1.7
・20~59歳女性
ストレスレベルが高い 居場所数 1.3
ストレスレベルが低い 居場所数 3.0
・60~69歳女性
ストレスレベルが高い 居場所数 0.7
ストレスレベルが低い 居場所数 2.6
こうしてみると、男性の“居心地のいい居場所”の数が女性に比べて少ないことがわかります。
とくに、60~69歳男性、つまり一般的に定年後とされる年齢では“居心地のいい居場所”の数がますます減り、ストレスレベルが高い人の居場所数は0.4カ所しかありません。
60~69歳男性でもストレスレベルが低い人の場合、居場所数は1.7カ所あります。
女性でも、60~69歳の高ストレスレベルの女性は居場所数が0.7カ所と1カ所を切っています。
月1~2万円で「自分の秘密基地」を手に入れる方法
定年後は、いや現役時代でも“居心地のいい居場所”がない人は、自分の居場所は自分で創り出さなくてはならないでしょう。
しかも、あまり費用をかけないアイデアとして「レンタルオフィスもしくはコワーキングスペースを借りて仕事部屋、勉強部屋、趣味室にする」というのはどうでしょうか?
たとえば、東京都心でのレンタルオフィスは月額1~2万円程度で利用できます。
そこを契約して、自分の勉強室、あるいは起業や副業のための作業室にします。
3Dプリンターや工具を揃えてものづくりができるところもあり、趣味に没頭してもいいでしょう。
また、だいたい、応接室や会議室も準備されていますから、客を迎えて談笑したりすることもできます。
つまり、月1~2万円で「自分の秘密基地」を手に入れるわけです。
むろん、その費用をパートナーが許してくれるかどうかはわかりませんが、毎日図書館や喫茶店、飲み屋で過ごすよりは建設的ではないでしょうか?
■レンタルオフィス、コワーキングスペースの典型的な費用の例
・基本 月額利用料(好きな机を選ぶ)1万円~2万円
・Wi-Fi・電源 無料
・パソコンは自前で準備
・複合機(コピー/プリンター)利用 実費
・ロッカー 実費(月額利用料数百円~数千円程度)
・会議室 有料(時間1000~3000円程度)
・飲み物(実費か無料サービス)
また、利用者交流が盛んなレンタルオフィスやコワーキングスペースの会員になると、会員同士の交流も図れるので、新しい人的ネットワークが形成されることも多いです。
友人を増やすことも期待できるでしょう。
「そうはいってもやはり月1万円~2万円の出費はパートナーが許さない」という方もいるでしょう。
そんな場合、せっかく仕事部屋ができるのですから、そこを拠点としてクラウドソーシングやマネジメントメンター(関東経済産業局が行っているシニア人材の中小企業マッチングサービス)などシニア副業にいそしんだらどうでしょうか?
その副業で月1万円~2万円以上を稼ぎ出せばパートナーも文句は言いにくいかも?
※株式会社メディプラス研究所報道発表「ココロの体力測定2017」
Text:藤木 俊明(ふじき としあき)
副業評論家
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
<精神科医・和田秀樹>「日本の健康診断は長寿に結びついていない」と断言する理由。ただひたすら患者の血糖値を下げようとする医者は「バカ」
集英社オンライン / 2024年6月16日 10時0分
-
「高齢者、特に女性ははたくさん肉を食べてください」は本当か? 日本人女性が心筋梗塞で亡くなるリスクは欧米と比較してもとても低いという現実
集英社オンライン / 2024年6月14日 10時0分
-
「おっさん、またかよ」月収95万円だった“鬼部長”。いまは時給1,250円、娘と同い年の上司に呆れられる“62歳シニアアルバイター”…元エリートが定年後、プライドを砕かれながら今日も出勤する理由【CFPの助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月12日 11時45分
-
専業主婦ですが、夫の定年退職後はパートで働きたい。60歳を過ぎてから働く女性はどのくらいいますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月11日 10時30分
-
退職金3,000万円、貯蓄4,000万円でも…大手企業の元部長「やることがない…」と自宅に引きこもり「あぁ、あの頃に戻りたい」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月7日 5時15分
ランキング
-
1上海の伊勢丹が営業終了、中国で日系百貨店の閉店相次ぐ…高島屋は売上高が減少傾向
読売新聞 / 2024年6月30日 20時56分
-
2マツダ、ヤマハ、ホンダ、スズキの「認証不正」どうなった? 調査結果を国交省が公表! マツダは同日にコメント発表
くるまのニュース / 2024年6月30日 22時10分
-
3日経平均「再度の4万1000円突破」は十分に可能だ 「米国利下げ後ずれ」「中国減速」のリスクは?
東洋経済オンライン / 2024年7月1日 9時30分
-
4毎回"完売"続出。築地銀だこの「ぜったいお得な回数券」は、PayPay併用でさらにお得!
東京バーゲンマニア / 2024年6月30日 9時3分
-
5ウイスキーが「おじさんのお酒」から激変したワケ 市場復活に導いたサントリーのハイボール秘話
東洋経済オンライン / 2024年6月30日 8時20分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください