「実体経済」と「市場動向」に大きく差があるのはなぜ? 今から投資を始めるメリットはある?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月5日 11時50分
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2024年、日本の株式市場は過去最高値を更新し、いまだかつてない相場の領域に進みつつあります。 しかし、国民の生活に目新しい変化があるかといわれたら、まったく違いを感じないといった方も多いでしょう。なぜ「実体経済」と「市場動向」に大きく差が生じているのでしょうか。 そこで今回は、「実体経済」と「市場動向」の概要や市場動向の上向きによる投資の是非ついて解説します。
実体経済とは
実体経済とは、物やサービスの購入、またはそれによって対価や収入を獲得する経済活動を指します。実際に製品を用いて取引が行われることから、実体経済と呼ばれています。
実体経済は国全体を総くくりにした概念であるため、一部のかいわいだけが潤っても実体経済がよくなったとはいえません。
実体経済の状況
総務省が発表した「令和5年度 年次経済財政報告」によると、2022年以降の実体経済について、以下の内容を述べています。
・物価が上昇しつつもサービス消費を中心に改善しつつある
・コロナ禍以降、経済社会活動の正常化によって国が支えられてきた
・サービス消費に変化が生じている
・製造業は景気が回復傾向にある
国内の実体経済は現状こそ回復途上ですが、よい方向に進みつつあると考えられます。
市場動向とは
市場動向とは「市場トレンド」とも呼ばれる値動きや市場の方向性です。主に株式や為替など投資行動において使われます。市場動向は参考にする期間によって「長期・中期・短期」のトレンドに大別され、それぞれ定められた期間の動きを表します。
また市場動向がプラスに進んでいれば「上昇トレンド」、マイナスに進んでいれば「下落トレンド」と呼ばれます。
市場動向の状況
市場動向は、対象の投資商品によって異なる動きを見せます。日本では、2024年2月22日に日経平均株価が史上最高値をつけたことから、国内外でも注目度の高い市場といえます。日経平均株価の最高値更新は、1989年12月以来およそ34年ぶりの出来事です。
今後も株高が更新され続けるなら、中・長期的な上昇トレンドが形成されることが予想されます。ただし、相場に絶対はありません。ある日突然トレンドが崩れることもおおいにあり得るため、トレンドはあくまで参考程度の指標とするのがよいでしょう。
今から投資するのは遅い?
次に、日本株投資(指標の数字に合わせて変動する投資商品)を考えている方に向けて、今後の展望を紹介します。ただし、必ずしも展望通りの動きをするとは限らないためご注意ください。
市場動向に実体経済が徐々に追いついている
市場動向と実体経済を参考にするなら、日本経済は回復の途上であり、市場動向に実体経済が追いつきつつあると考えられます。「令和5年度 年次経済財政報告」によると名目GDPは過去最高の591兆円を記録しました。
またサービス消費もコロナ禍以前の水準に戻りつつあるため、この傾向が続くなら、将来的に市場動向と実体経済が合致する可能性もあるでしょう。
シナリオ1:市場が実体経済に合わせ調整される
現状は実体経済と株価の指標に乖離(かいり)があるため、上昇トレンドのどこかで調整(株価が一時的に下落すること)に入る可能性があります。今回の株高は、海外投資家の期待によるものといわれています。海外の期待に対して実体経済がどのような成績を収めるかで、市場動向にも大きな動きが生じる可能性があります。
シナリオ2:実体経済を無視して株高が続く
過去最高高値を更新したことや、海外期待が高い背景から、過熱による上昇トレンドを呼ぶ可能性があります。この場合、株価の上昇がどの程度で収まるかは分かりません。あまりにも実体経済と市場動向の間に乖離(かいり)が生じると、相場が冷めたときに急激な下落を招く可能性がありますので、注意しましょう。
投資の世界は複雑でランダム性が高い
経済の世界は、期待・業績・駆け引きなどさまざまな要素が絡み合って形成されています。例え将来的に実体経済が市場動向に追いついても、必ず株価が上がり続けるとは限りません。
これから投資を始めようと考える方はリスクを十分考慮した上で、無理のない金額から始めるとよいでしょう。
出典
内閣府 第1章 マクロ経済の動向と課題 第1節
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー
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