国家公務員でも定年後“約9割”が働いている!?退職金「2000万円」をもらっても働き続ける理由とは
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月4日 20時10分
定年退職を迎える方の中には、定年退職後も働き続けるかを悩んでいるという方もいるのではないでしょうか。 「退職金をもらえるけれど、退職金と貯金だけで生活できるのだろうか」と不安に感じるかもしれません。2000万円ほどの退職金を受け取る国家公務員でも、定年退職後も働き続けているという事実があるようです。 この記事では、定年退職後も働き続ける国家公務員の割合とその理由、国家公務員の定年退職後の家計状況についてご紹介します。
定年退職を迎えても約9割の国家公務員が仕事を続けている
人事院事務総局給与局生涯設計課が実施した「令和5年退職公務員生活状況調査報告書」によると、対象者の87.6%が定年退職後も「収入を伴う仕事に就いている」と回答しています。
さらに、収入を伴う仕事に就いていると回答した方で、定年退職後も働きたいと思って仕事に就いている方は94.5%となっており、定年後の就業意思も強い傾向がうかがえます。
また、内閣官房内閣人事局が公表した「退職手当の支給状況」によると、国家公務員のうち、定年まで勤めた常勤職員の退職金平均額は約2112万円です。国家公務員は2000万円ほどの退職金を受け取れたとしても、約9割が定年退職後も仕事を続けているということになります。
定年後も働きたい理由は「生計維持に必要」だから
定年後も仕事を続けている国家公務員が多いことが分かりましたが、どのような理由で仕事を続けているのでしょうか。
前述の人事院の調査では、定年退職後も働きたいと回答した人に対し「定年退職後も働きたいと思った理由」も尋ねています。定年退職後も働きたいと思った理由は、多い順から以下の通りです(複数回答)。
・日々の生計維持のために必要:85.7%
・社会との接点や生活の張り・生きがいを持ちたい:44.0%
・経済的により豊かな生活を送りたい:38.1%
・仕事を通じて社会や職場に貢献したい:34.4%
・健康維持のために必要:31.4%
社会活動をしたい、健康を維持したいといった回答もありますが「日々の生計維持のために必要」という回答が一番多い結果となっています。2000万円ほどの退職金をもらう国家公務員でも、定年後の生活のために仕事を続けたいと考えているようです。
定年退職後に約4割は家計が赤字になっている
前述の調査では、定年後の世帯の家計状況に関しても調査を行っています。回答結果は以下の通りです。
・十分ゆとりがある 3.7%
・いくらかゆとりがある 14.3%
・ゆとりはないが、赤字でもない 38.8%
・毎月のやりくりに苦労しており、時々赤字が出る 23.3%
・どうやりくりしても、常に赤字が出て生活が苦しい 18.2%
・不明 1.6%
回答結果から、約4割が家計に赤字が出ているということが分かります。2000万円ほど退職金をもらったとしても、家計は赤字になる可能性があるようです。定年退職後に生活苦に陥らないためには、十分に貯金をしておいたり、仕事などで収入を確保したりする必要があるでしょう。
2000万円ほどの退職金を受け取っても、老後生活苦になる可能性がある
2000万円ほどの退職金を受け取れる国家公務員でも、約9割が何かしらの仕事を続けています。仕事を続けたいのは「日々の生計維持のために必要」が一番多い理由です。また、約4割が定年退職後の家計が赤字になっていると回答しています。
退職金として約2000万円を受け取れたとしても、老後の生活は苦しいと感じている方もいるようです。
定年退職後に生活苦に陥らないためには、仕事を続けることを考えた方がいいかもしれません。定年退職後は仕事をしたくないという場合は、十分に貯蓄をしておいたり、年金以外の収入源を確保したりする必要がありそうです。
出典
人事院事務総局 給与局生涯設計課 令和5年退職公務員生活状況調査報告書(6.9.29ページ)
内閣官房内閣人事局 退職手当の支給状況 (1ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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