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車で「お礼のクラクション」は違反!? レア標識で「鳴らす必要がある」場合とは? 実は違反な行為もあわせて確認

ファイナンシャルフィールド / 2024年6月5日 2時30分

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車の運転中、道を譲ってもらった際などにお礼でクラクションを鳴らすことがあるかもしれません。しかし、これは厳密には違反であることをご存じでしょうか。   本記事では、お礼のクラクションが違反になる理由やお礼を伝える方法、一般ドライバーが知らないうちにやっている意外な違反を元警察官の筆者が解説します。

クラクションを使用してもよい条件

クラクション(警音器)は、使用してもよい条件が細かく指定してあることをご存じでしょうか。道路交通法には「法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない」とあります。
 
つまり、この条件以外でクラクションを鳴らすと警音器使用制限違反です。お礼としてのクラクションは法令に規定されていないため、厳密にいえば違反になります。ちなみに、反則金は車もバイクも一律3000円で、違反点数はありません。
 
ただし、私が警察官だったころにこの違反で検挙したことは1度もありませんし、周りで検挙した話も聞いたことがありません。警察官が警告してもクラクションを鳴らし続けるなど、かなり悪質なケースでなければ検挙されることはないでしょう。つまり、お礼のクラクション程度で検挙されることはまずありえません。
 

クラクションを使用しなければならない場所もある

むやみにクラクションを鳴らしてはいけない一方で、一定の場所ではクラクションを鳴らすように決められています。それは「警笛鳴らせ」の標識がある区間内の見通しがきかないカーブなどです。
 
かなりレアな標識のため、都会に住んでいると見たことがない人もいるかもしれませんが、いわゆる酷道・険道と呼ばれる山奥の狭い道路などでたまに見られます。
 
決められた場所でクラクションを鳴らさなかった場合は警音器吹鳴義務違反です。警音器使用制限違反よりもさらにレアな違反で、実際に検挙事例があるのだろうかと疑問になるレベルです。
 

クラクション以外でどうやってお礼を伝えればよい?

クラクションがダメならばどのようにしてお礼を伝えればよいのでしょうか? 最も確実なのは軽く頭を下げたり手を上げたりジェスチャーで伝えることです。
 
ハザードランプを2~3回点滅させる方法も使われています。しかし、ハザードランプもお礼を伝えるために備えられているものではありません。ハザードランプはクラクションのように使用条件が定められていないため、使ったからといって違法にはなりませんが、確実にお礼を伝えたいのであれば、ジェスチャーのほうが伝わりやすいでしょう。
 

みんなが守っていないけれど、実は違反な行為の例

一般ドライバーがほとんど守っていない違反として、道路へ出入りする際の一時停止を紹介します。道路から店舗などに入る際には、歩道などを横切ることになりますが、この際に歩行者がいてもいなくても一時停止をしなければいけません。また、歩道がなく路側帯だけの場合も一時停止が必要です。
 
歩行者がいる場合は、さすがに一般ドライバーの多くは一時停止をしていますが、歩行者がいない場合は一時停止しない車がほとんどです。警察車両は律義に一時停止していますので、機会があればぜひ観察してみてください。
 
反則金は普通車9000円、原付以外のバイクが7000円、違反点数は2点と赤色信号無視と同じ扱いです。しかし、ほとんどの人が守っていないため、歩行者を妨害したなど悪質なケースでなければ、実際にはほとんど検挙されない違反です。
 

まとめ

お礼のクラクションは厳密にいうと違反です。しかし、お礼のクラクションを鳴らしたからといって切符を切られることはまずないでしょう。
 
クラクション以外でお礼を伝えるには、手を上げるなどジェスチャーが確実です。ハザードランプを使う方法もありますが、こちらもお礼を伝えるものではないため使う際は注意しましょう。
 

出典

e-Gov法令検索 道路交通法
埼玉県警察 交通違反の点数・反則金等の一覧表
 
執筆者:山根厚介
2級ファイナンシャルプランニング技能士

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