本屋で立ち読み中、「気になるページ」をスマホで撮影!→店員さんに「万引きですよ!」と言われたけど、本を盗んでないのにNGなの?「デジタル万引き」の違法性を解説
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月6日 4時30分
「最近は電子書籍も普及しているけれどやっぱり本屋で紙の書籍を買いたい」「本屋なら、買う前に試し読みできる場合もあるから便利」。そのような理由で本屋に通う人も一定数いるのではないでしょうか。 そんな中、書店やコンビニで、購入前の書籍の一部のページをスマートフォンなどで無断撮影する行為が問題視されています。 実物を盗むわけではなく電子媒体を通じて情報を無断で盗るこのような行為は「デジタル万引き」と呼ばれます。実際に物を盗んでいるわけではないのですが、万引きと同等に見なされるこの行為が法的にどのように扱われるのか、本記事では「デジタル万引き」の違法性について解説します。
購入前の書籍の無断撮影は法的に違法なのか
まずは、今回のような「デジタル万引き」が法的に明確に違法とされる根拠はあるのか解説します。実は、このようなケースでは実際に現物を盗んでいるわけではないため、いわゆる窃盗罪として立証することは難しいとされます。
一方で、購入前の書籍の内容を無断撮影することは、著作権法侵害に該当する可能性があります。特に、無断撮影して得た情報や内容を世に発信したり、無断撮影して得た情報を自分が創作したものかのように利用したりする場合には著作権侵害に該当する可能性が高くなります。
書店への迷惑行為として違法性を主張できる可能性がある
著作権法の侵害は無断で入手した情報を違法に使用することで違法性が立証されます。そのため、今回のように無断撮影を店員に注意された時点で直接的な著作権法に関する罪を問うことは難しいでしょう。
しかし、書店に対する迷惑行為として違法性を指摘できる可能性があります。例えば、書店内に「購入前の書籍の無断撮影禁止」などの貼り紙が貼ってあるにも関わらず無断撮影を行い、店員に注意されても画像データを消さないといった場合には、営業妨害罪が成立する可能性があります。
また、迷惑行為に伴い退店を求めても撮影者が拒否するような場合には、不退去罪が成立する可能性があります。書店に対する迷惑行為という観点で罪を問えるケースもありますので、撮影行為自体を罪に問うことが難しいとしても注意が必要です。
罪の意識もなく、このデジタル万引き行為を行う人も一定数いるため、書店側としても、デジタル万引きを未然に防止するための貼り紙などの対策は今後さらに必要となってくるでしょう。
モラルやマナーを守って正しい行いを
スマートフォンなどの普及で、情報の入手や共有、拡散が誰でも簡単にできる時代となり、本記事の「デジタル万引き」のような迷惑行為を見かける機会も多くなりました。今回は書店やコンビニなどでの書籍の無断撮影というデジタル万引きの例を挙げましたが、電子書籍においても同じようなことがいえます。
例えば、ネットで購入した電子書籍の内容をスクリーンショットして無断で使用するなどした場合、この行為も著作権法侵害となる可能性があります。無意識のうちに非常識な行為をしてしまい罪に問われることで、結果として多くの人に迷惑をかけることになります。
法律に違反する、しないの視点も当然に重要ですが、それ以前のモラル、ルール、マナーの視点から考えてその場で行うことが正しい行為か否かを判断することも現代では大切となってきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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