貯金2000万円で年金も「20万円以上」ある両親でも「生活が苦しい」らしいです。40歳で貯金500万円以下の私は「ゆとりある暮らし」は不可能なのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月8日 10時10分
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2019年に、「老後2000万円問題」が話題になりました。ゆとりのある老後生活を送るためには2000万円の老後資金を自分で用意する必要がある、という趣旨です。しかし、老後資金としていくら用意すれば足りるかは、人によって異なります。2000万円もいらない人がいる一方で、2000万円以上用意しても足りないという人もいるでしょう。 本記事では、2000万円の貯金を持っており、年金で毎月20万円以上受給している両親を持つAさんの相談を紹介します。
両親はお金を使いすぎの可能性が考えられる
「私の両親はすでにリタイアしていて、貯金は2000万円程度持っているそうです。年金も毎月20万円以上受給していますが、生活が苦しいと言っています」と語るAさん。
「私は今年で40歳になりますが、貯金は500万円もありません。最近は物価の上昇もあり、以前よりも貯蓄に回せるお金が減ってしまいました。現在の生活で不自由を感じることはありませんが、将来ゆとりのある生活を送れるか不安です……」とのことです。
令和6年度における、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額(平均的な収入で40年間就業した場合)は、23万483円です。両親2人分の年金として毎月20万円を受給できるのは、一般的な水準といえるでしょう。
Aさんの両親は「生活が苦しい」と言っているようですが、家計管理をきちんと行えば生活費をやりくりできる年金受給額です。年金だけでは毎月の収支が赤字だとしても、2000万円の貯金があれば、すぐに生活に支障が出ることもないでしょう。
家計管理を行っていないのに、漠然とした感覚で「生活が苦しい」と感じている可能性が高いと考えられます。また、現役のころよりも収入が減少したことで、何となく生活が苦しいと感じているだけかもしれません。
ゆとりある暮らしをするには家計管理を行うことが肝
そもそも、「ゆとりある暮らし」は抽象的な表現です。ゆとりを感じる生活レベルは個人によって差があるため、「〇円以上あればゆとりある生活ができる」という一律の正解はありません。
つまり、Aさん自身が自分の感覚でゆとりを感じられる生活レベルを把握することが大切です。例えば、普段の基本的な生活費と娯楽に充てるためのお金を含めて、月に20万円で足りる場合は毎月20万円のインカムがあればゆとりある生活を維持できます。
ゆとりある生活を実現できる水準を把握するためにも、日ごろから家計管理を行うことが肝要です。日ごろから家計簿をつけることを意識し、毎月の支出額を把握しましょう。
ただし、Aさんも口にしていたとおり昨今は物価の上昇が続いています。今後もインフレが続くと、ゆとりある生活を送るための金額が増える事態が想定されます。そのため、将来的には現在よりも多くのお金が必要になる点は留意すべきです。
Aさんは現在500万円を下回る程度の貯金があるとのことですが、貯金額に関してもゆとりある生活を実現するために必要となる絶対的な正解はありません。
なお、金融広報中央委員の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]」によると、40代の平均貯金額は657万円、中央値は53万円でした。平均値よりも中央値のほうが実態に近いことから、Aさんの貯金額は同年代で見ると多い部類に入るでしょう。
貯金額が多いほど安心できるのは確かですが、両親との貯金額の差を過度に意識する必要はありません。極端な話、年金生活に突入したあとも収入の範囲内に支出を抑えれば、貯金がなくても生活は破綻しないためです。
Aさんが今行うべきなのは、現在の支出を把握して自分がゆとりを感じられる生活水準を把握することです。また、無理のない範囲で貯金を継続して、健全な家計を継続すればよいでしょう。
まとめ
ゆとりある生活を送るために必要なお金は、個人の生活状況やライフスタイルによって異なります。そもそも、ゆとりある生活は抽象的であり、自分に生活水準に落とし込んで考える必要があります。
両親よりも貯金額が少なかったとしても、過度に不安に思う必要はありません。日ごろから家計管理を行い、収支状況を管理すれば漠然とした不安を軽減できるでしょう。
出典
日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について
金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 各種分類別データ(令和4年)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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