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60歳定年を目前に会社が定年を「65歳」に引き上げ…予定通り60歳で退職したら「退職金」はどうなりますか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年6月6日 9時30分

60歳定年を目前に会社が定年を「65歳」に引き上げ…予定通り60歳で退職したら「退職金」はどうなりますか?

60歳の定年を迎えると、退職金を支払う企業も多いようです。そのようななか、定年間近で65歳まで定年が引き上げられ、退職金が受け取れるか不安な人もいるでしょう。   今回は定年間近で60歳から65歳に定年が引き上げられた際、予定通り退職金が受け取れるのかをまとめました。

引き上げ前の定年で退職したら退職金はどうなる?

引き上げ前の定年で退職した場合、基本的に自己都合退職の扱いとなります。退職金がもらえなくなるケースはほとんどないようですが、定年退職に比べるともらえる退職金自体は少なくなってしまうでしょう。
 
厚生労働省が発表している「令和5年就労条件総合調査」では、勤続20年以上で45歳以上の退職者に支給される退職金について以下の内容が発表されていました。
 
表1

年齢 定年 自己都合
大学・大学院卒
(管理・事務・技術職)
1896万円 1441万円
高校卒
(管理・事務・技術職)
1682万円 1280万円
高校卒(現業職) 1183万円 921万円

※厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」を基に筆者作成
 
ただし、事業者によっては定年前であっても、60歳を迎えていれば定年退職として扱う事例もあるようです。そのため、どのような対応になるかは事業者への確認が重要といえるでしょう。
 

引き上げ後の定年まで働く場合、元の定年の年齢で退職金は受け取れる?

結論、60歳の定年を目前に会社が65歳へ定年を引き上げた場合の退職金は、一定の要件を満たすことで受け取れる可能性があります。税制上の問題をクリアする必要はありますが、旧定年での退職金が「打切支給」に該当する場合は退職所得として取り扱いができるようです。
 
ただし、打切支給が適用されるのは、定年の引き上げ以前から会社に在籍している場合のみとなります。引き上げ以降に在籍した場合は、新しい定年を迎えなければ退職所得として取り扱われない可能性が高いでしょう。
 

打切支給とは

本来、定年引き上げ後に勤務をし続ける従業員に対して支払われる「退職一時金」は、退職所得には含まれません。
 
しかし、引き上げの事実によって退職が延長したことが明らかな場合は、退職所得として認められる可能性が高いようです。打切支給が認められるためには一定の要件を満たす必要がありますが、その中でも特に重要視されている項目として以下の2点があげられます。


・旧定年までの勤続期間に基づいて金額が計算されているか
・打切支給をするのに相当する理由があるか

上記の要件に該当するかは、管轄の税務当局の判断が大事なようです。そのため、企業の担当部署から確認してもらうのが確実な方法といえるでしょう。
 

引き上げ後も働き、打切支給にならない場合は?

もし定年が引き上げられた場合、引き上げ後の年齢まで働いて退職金を受け取るのも選択肢としてあげられます。定年が引き上げられると、勤務期間が長くなってしまう点はデメリットです。
 
しかし、退職所得控除が増える・勤務期間に応じて退職金が増えるといったメリットは十分に考えられます。
 
自身のライフプランや体調などと相談しながらにはなりますが、定年の引き上げによって得られるメリットがある点を把握しておきましょう。そのうえで、自分に合った方法を選ぶことが大切になります。
 

会社が定年を引き上げた場合も要件を満たせば60歳で退職金を受け取れる場合がある

60歳の定年を目前に、会社が定年を引き上げた場合の退職金については、要件を満たせば60歳で受け取れるケースもあります。具体的には旧定年までの勤続期間で計算されているか・打切支給に相当する理由があるかなどが関係するでしょう。
 
ただし、要件を満たすかは個人や企業単位で判断できる問題ではありません。管轄の税務当局からの指示・判断が必要なことを理解しておくといいでしょう。
 

出典

厚生労働省 令和5年就労条件総合調査 結果の概況 4.退職給付(一時金・年金)の支給実態(17ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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