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会社員で「年収500万円」の夫が死亡。55歳の妻は、子どもがいなくても「遺族年金」を受け取れる? 受給額を試算

ファイナンシャルフィールド / 2024年6月9日 4時40分

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遺族年金には遺族基礎年金と遺族厚生年金がありますが、受給要件は違います。本記事では、年収500万円の会社員である夫が55歳で死亡した場合、同じ55歳で子どもがいない専業主婦の妻はどのくらい遺族年金を受給できるのかを試算します。

遺族厚生年金のみ受給できる?

遺族基礎年金は子どものいない配偶者は受給できません。受給できるのは「子」か「子のある配偶者」だけです。したがって今回のケースで妻が受給できる遺族年金は遺族厚生年金だけとなります。
しかし、遺族厚生年金には中高齢寡婦加算があります。
 
今回のケースでは中高齢寡婦加算の支給対象の1つである「夫が死亡したときに妻が40歳以上65歳未満で、生計を同じくする子がいない場合」に該当しますので、遺族厚生年金に中高齢の寡婦加算が加わった金額を受給できます。
ただし、中高齢寡婦加算を受給するには死亡した夫の厚生年金加入期間が20年以上であることも必要です。
 

遺族厚生年金、中高齢の寡婦加算の金額は?

遺族厚生年金の支給額は「亡くなられた人の老齢厚生年金の報酬比例部分の3/4」です。
老齢厚生年金の報酬比例部分の計算式は「平均標準報酬額×0.005481×厚生年金加入期間月数」(平成15年4月以降の加入期間の場合)です。
 
平均標準報酬額とは各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を加入期間で割った額で、年収500万円の場合の平均標準報酬額は41万円となります。
大卒時の22歳から死亡時の55歳まで厚生年金に加入し(厚生年金加入期間は396月)、その間の平均標準報酬額が41万円だったと場合、遺族厚生年金額は「41万円×0.005481×396月×3/4=66万7421円/年」となります。
 
また中高齢寡婦加算額は令和6年度の金額は61万2000円であり、支給される遺族厚生年金は合計で年間127万9421円、1月あたり10万6618円となります。
 

65歳以降はどうなる?

中高齢の寡婦加算は40歳以上65歳未満が支給対象であり、65歳以降は支給されません。
65歳からは妻自身の老齢基礎年金を受給できます。妻自身の老齢基礎年金が満額の場合、年間81万6000円受給できます(令和6年度の金額)。
 
遺族厚生年金(66万7421円)は引き続き受給できますので、年金額は合計で148万3421円、1月あたり12万3618円となります。
仮に妻自身の老齢基礎年金額が中高齢の寡婦加算額に満たない場合は65歳以降に経過的寡婦加算が行われます。
 
経過的寡婦加算は1956年4月1日以前生まれの遺族厚生年金の受給権者である妻が対象となり、経過的寡婦加算の額は、1986年4月1日から60歳に達するまで国民年金に加入した場合の老齢基礎年金の額と合わせると中高齢寡婦加算の額と同額になるよう決められています。
 

まとめ

年収500万円の会社員である夫が55歳で死亡した場合、同じ55歳で子どもがいない専業主婦の妻は65歳まで遺族厚生年金に中高齢寡婦加算を加えた約128万円を毎年受給できます。また、65歳以降は妻自身の老齢基礎年金と遺族厚生年金を受給できます。
 
仮に妻自身の老齢基礎年金が中高齢の寡婦加算額未満の場合でも条件を満たせば遺族厚生年金に経過的寡婦加算が行われ、65歳以降も65歳前と同程度の年金額を受給することができます。
 

出典

日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 は行 報酬比例部分
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和6年度版)
日本年金機構 か行 経過的寡婦加算
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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