「年齢給」にはどのようなメリットがある? 年齢給について解説
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月13日 11時50分
年齢給とは、年齢や勤続年数を基にして給与を定める方法です。 しかし、勤務先が年齢給を採用していることに、どんなメリットがあるのか疑問を感じる方もいるでしょう。さまざまなメリットがあるものの、近年の働き方にはそぐわない部分もあり、年齢給を廃止し、新たな給与制度に移行する企業も増えています。 そこでこの記事では、年齢給のメリット・デメリットや年齢給以外の給与制度についてご紹介します。
年齢給が減少傾向にある理由
年齢給とは、通常歳を重ねるごとに給与が上がっていく仕組みです。これまで終身雇用制度を導入する企業の多くが採用する、ごく一般的な制度でした。
しかし現代では、終身雇用制度の崩壊や、同一労働同一賃金の考え方と合わないことなどから、取り入れる会社が減少しています。
また年齢給には、勤続年数の長い従業員が増えていくにつれ、人件費が少しずつ上がっていくことや、勤続年数の短い従業員に不満がたまりやすいといったデメリットもあります。
年齢給のメリット
年齢給を採用する会社が減少傾向にあるとはいえ、未だに年齢給を採用している会社も残っています。
給与制度を突然変更できないことも考えられますが、年齢給自体にさまざまなメリットがあることも理由に挙げられます。
社員に安心感があり長く続けられる
結婚や出産で家族が増えると、子どもの成長とともに出費がかさむようになります。また、親の介護なども年を追うごとに負担が増えるものです。
年齢給は、これらの年齢が上がるごとに増えることの多い出費に対応しやすいメリットがあります。従業員としては安心感があり、長く働き続けやすい環境です。
スキルやノウハウが身に付きやすい
年齢給を導入する企業では、勤続年数の長い従業員が多く、その分スキルやノウハウが蓄積しやすくなります。
また、経験豊富な従業員による若手育成が可能となるため、質のよい従業員を育てる環境が整いやすいこともメリットです。
人事評価が分かりやすい
年齢や勤続年数に応じて給与が上がっていくため、企業が評価しやすい点も大きなメリットです。人事評価にかかるコストを削減できるうえに、人事担当者の手間も省けます。
また、従業員としても、今後の給与を予測しやすく、生活設計しやすいでしょう。
年齢給以外の給与制度
年齢給以外にも、さまざまな給与制度があります。代表的な方法として「業績給」「職能給」「職務給」の3つが挙げられます。
それぞれの特徴を確認しましょう。
業績給
「業績給」とは、従業員の業績によって給与が上がっていく方法です。努力して成果を上げることが収入に直結するため、仕事に対するモチベーションを高めやすく、会社側としても業績アップが期待できます。
ただし、労働者の過重労働が懸念されることや、共同作業が必要な場合は取り入れにくいなどのデメリットもあります。
職能給
従業員のスキルや職務遂行能力に応じて給与が決まる給与制度が「職能給」です。スキルが上がるほど給与も上がるため、自身の能力を上げることに意欲的になれます。
ただし、昇格しなくても給与が上がることもあるため、企業にとっては人件費が上がりやすい点がデメリットでしょう。
職務給
「職務給」とは、従業員が従事する仕事内容によって給与が決まる方法のことです。業務の難易度や重要度、責任の重さなどを考慮し決定します。
労働の価値に対し給与が支払われるため、同じ業務で同じ成果を上げた従業員は、同じ給与が支払われる仕組みです。
専門性は養われますが、職種をまたぐ人事異動が難しい欠点があります。
年齢給はメリットもあるが、不満がある場合は転職も視野に入れよう
年齢給は、年を重ねることで確実に給与が上がっていく安心感や、スキルやノウハウが身に付きやすいといったメリットがあります。
しかし、同一労働同一賃金の考え方には合わない給与制度のため、取り入れている企業は減少傾向です。
勤務先が年齢給を導入しており、働き方に疑問を感じる場合は、転職を考えるのも1つの方法です。自身に合った給与制度を導入している企業で働くことが、仕事に対する満足度を上げることにもつながるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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