2024年6月以降、道の駅や直売所で「手作り漬物」が買えなくなる?「道の駅好き」には大打撃!?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月15日 3時40分
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道の駅や直売所で、その地方ならではのお土産を購入するのを楽しみにしている方もいらっしゃるでしょう。例えば「手作り漬物」は、自宅で味を再現する難易度が高いため、道の駅や直売所で購入する方もいます。 同じ漬物でも、使う野菜や作る人によって味が違うことから「この農家の漬物がいい」とこだわりを持っている方もいらっしゃるかもしれません。 しかし、2024年6月以降は手作りの漬物がなかなか購入できなくなる可能性があります。今回は、なぜ手作りの漬物が購入しにくくなる可能性があるのかを解説します。
法改正により国際的な基準に沿った衛生管理の実施が義務付けられる
手作りの漬物が購入しにくくなる可能性があるのは、食品衛生法が改正されたことが要因です。2021年の6月に改正された食品衛生法のなかで、原則として全ての食品等事業者にHACCP(ハサップ)という制度に沿った衛生管理が求められるようになったようです。
漬物に関しては、過去に、浅漬けが原因によるO157の食中毒で死亡者が出た事例もあります。このような食中毒を予防するためにも、厳しい衛生管理が求められているのです。
HACCP方式では、原材料の入荷から商品として出荷するまでの工程ごとに衛生管理をチェックすることで、食品の安全性を確保することが必要なようです。従来は、最終製品の一部を抜き取り検査を行うことが一般的でしたが、HACCAP方式では各工程でチェックを行うことになります。
厚生労働省「HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理の制度化」を基に、営業者が実施することをご紹介します。
1.「一般的な衛生管理」及び「HACCPに沿った衛生管理」に関する基準に基づき衛生管理計画を作成し、従業員に周知徹底を図る
2.必要に応じて、清掃・洗浄・消毒や食品の取扱い等について具体的な方法を定めた手順書を作成する
3.衛生管理の実施状況を記録し、保存する
4.衛生管理計画及び手順書の効果を定期的に(及び工程に変更が生じた際等に)検証し(振り返り)、必要に応じて内容を見直す
地元の農家が基準に見合った加工所を作るには多額の費用がかかる可能性も
改正食品衛生法が適応されれば、地方で農家を営みながら手作りの漬物を販売している事業者でも、前述のHACCPに沿った衛生管理を行う必要があります。そのためには、新しい設備を導入しなければならないケースもあります。
しかし、設備の導入には、数百万といった費用がかかる可能性があるようです。さまざまな加工食品を製造・販売しているような事業者であれば、HACCPに対応するための設備投資もできるかもしれません。
しかし、野菜を作る傍らで漬物を作り販売していた個人農家などは、漬物のために多額の設備投資はできないという場合もあるでしょう。
数百万円の設備を投資しても、道の駅や直売所で漬物を販売するだけでは、その費用を回収できない可能性があるでしょう。東京の「べったら漬け」や秋田の「いぶりがっこ」といった全国的に有名な漬物も、2024年6月以降は大手事業者が販売する以外の味は食べられなくなるかもしれません。
法改正の影響で手作り漬物の販売は激減する可能性がある
2024年6月から、改正食品衛生法が完全実施されます。原則として、全ての食品等事業者にHACCPという国際的な食品衛生管理手法にのっとった衛生管理が求められるようです。
道の駅や直売所で手作りの漬物を販売していた地域の農家は、今までの設備ではHACCPの衛生管理の基準をクリアできない可能性があります。衛生管理の基準をクリアするために、新たな設備を導入するのは数百万円といった費用がかかるかもしれません。
設備に多額の費用をかけることが難しい農家は、手作りの漬物の販売を断念してしまう可能性があります。
食品衛生法の改正は、食中毒などの食品事故を予防するためのものです。しかし、この改正により手作りの漬物はなかなか購入できなくなってしまう可能性があるでしょう。
出典
厚生労働省 HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理の制度化
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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