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4歳の息子が飲食店で飾りの「花瓶」を破損…そのあと会計時に「割引券」を提示したら非常識でしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年6月15日 4時10分

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小さな子どもを連れて飲食店などを訪れる際、子どもがいたずらをしてお店のものを壊してしまわないか心配される親御さんも多いでしょう。実際に破損してしまった場合、弁償しなければならないのか不安になることもあるはずです。   お店によっては「子どものしたことだから」と許してくれることもありますが、本来は子ども本人やその保護者にどのような責任が生じるのか、確認しておくことをおすすめします。   今回は、子どもがお店の備品を壊してしまったときの責任とともに「その後、会計時に割引券を提示することは非常識に値する可能性があるのか」ということについてもご紹介します。

お店の備品を壊してしまったときの責任は?

民法第七百九条に「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と定められているように、お店のものを壊してしまったときは「他人の権利を侵害した」とみなされ、損害賠償責任を負うことになります。
 
お店側が損害賠償を請求できるのは「故意又は過失によるもの」と判断されたときです。「故意」とは、自分の行為によって他人に損害を与えることになると分かっていながらその行いをすること、「過失」とは、損害の発生を予測できていたにもかかわらず回避しなかったことをいいます。
 

未成年も責任能力を問われるのか?

今回の事例では「4歳の息子さんが飲食店で飾りの花瓶を破損してしまった」ということですが、4歳の子どもに、自分の行為によって他人に損害を与える可能性や、損害を予測して回避することは難しいでしょう。
 
民法第七百十二条でも「未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない」とされています。
 
また、民法第七百十四条には「責任無能力者の監督義務者等の責任」について「責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う」と定められています。
 
つまり、責任能力を問うことが難しい子どもがお店のものを壊してしまったときは、保護者に賠償義務が発生する可能性があるということです。
 

会計時に割引券を提示するのは非常識?

上記の通り、お店には、花瓶を破損した子どもの保護者に対して損害賠償を請求する権利があります。しかし、お店によっては「子どものしたことなので」と弁償を要求してこないところもあるでしょう。
 
このことは、あくまでもお店側の善意によるものであり、親がきちんと謝罪し、反省している様子を見せることが重要であると考えられます。割引券を持っている場合は提示したいところですが、子どもが花瓶を壊した直後に割引を求める行為が、場合によっては配慮に欠ける可能性もあるため、注意が必要です。
 
今回は割引券を使わず、次回の来店時に使うなど配慮することも方法の一つといえるでしょう。
 

お店側から損害賠償を請求されなくても割引券の提示は配慮に欠ける可能性がある

子どもがお店の備品を壊してしまったときは「他人の権利を侵害した」ということになり、損害賠償を請求される可能性があります。ただし、責任能力を問うことが難しい年齢の子どもがした行為である場合は、その保護者が責任を負うことになるでしょう。
 
お店によっては「子どものしたことだから」と損害賠償を請求してこないケースもありますが、その場合であっても、事故の直後に割引券を提示する行為は相手にいい印象を与えない可能性が考えられます。可能であれば割引券の提示は次回の来店時にして、まずはお店側に対してしっかりと謝罪する姿勢を見せることをおすすめします。
 

出典

デジタル庁 e-GOV法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百九条、第七百十二条、第七百十四条
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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