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定年間際の親が退職金で「終のすみか」として3000万円の中古マンションを購入すると言っています。高齢者が家を買うことに不安を感じるのですが、止めなくてもいいでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年6月18日 10時0分

定年間際の親が退職金で「終のすみか」として3000万円の中古マンションを購入すると言っています。高齢者が家を買うことに不安を感じるのですが、止めなくてもいいでしょうか?

Aさんの父親は会社員で、もうすぐ定年を迎えます。母親は専業主婦で、それなりの退職金がもらえるので、老夫婦2人には広すぎる田舎の家を売って、駅近の3000万円の中古マンションを購入したいと言っています。その話を聞き少し不安を感じたAさん、「購入を止めたほうがいいのか」と相談に訪れました。本記事で見ていきましょう。

まずはご自宅の査定から

相談者のご両親のように、定年後に自宅の住み替えを考える人は増えています。というのも、その住居は子育てを前提にした一戸建てが多く、子どもたちが独立した後は夫婦2人が住むのには広すぎるからです。
 
「広い家に住んで不満なんてぜいたく」と思われるかもしれませんが、庭木の世話や2階の掃除など、体力が落ちてくると重労働になってきます。コンパクトな生活にすることで不用品の処分も進み、終活がスムーズに進むこともあります。
 
ご相談者にとって、大きく2つの不安があると推察します。
 
1つ目は、大きな金額が動くことです。住み替えの前に、まずは資産の整理をする必要があります。定年後も何らかの形で働いて収入を得ることも考えられますが、現段階で資産の棚卸しをします。ザックリと考えても、「ご自宅の査定額+退職金」と「購入予定のマンション(3000万円)+老後資金」のバランスをとることが重要です。
 
一般的に、愛着のある自宅の価値は大きく見積もりがちです。実際に不動産業者の査定額を聞いて、非常にガッカリされる例を多く見てきました。専門家に査定をしてもらったうえで、マンションの購入に無理がないかを決めることが大事です。
 

現況を知ることが将来の安心にも

2つ目の不安材料は、環境が変わることです。同じ地域内での住み替えなら心配は少ないですが、そうでない場合は十分な下調べが必要です。ご近所付き合いだけでなく、利用するスーパーやクリニックなど、新しい環境に慣れる必要があります。相談者にとっても、現自宅の隣人の家族構成などは把握できているでしょうから、何かと安心な点は多いと思います。
 
この2点について、ご両親と話されることで不安は解消できると思います。ご両親から納得できる説明を聞くことができれば、住み替えを進めることができます。内容が不十分な場合は、ご両親の意向に沿って資金計画などを整理してはいかがでしょうか。お手伝いをしてあげることで、現況を共有できます。
 
シニア世代の住居には、今後介護が必要になることも視野に入れなければなりません。
 
子どもの家を行き来するのに利便性はどうか、駅やスーパー、病院までの距離だけでなく勾配などは大丈夫か、マンションならエレベーターの有無は?(災害など、もしものときには低層階が望ましい)、セキュリティーや管理体制(管理人は常駐しているか)、などチェック項目を一緒に点検することをお勧めします。
 
屋内に関しては、シニア向けの分譲マンションや賃貸マンションはバリアフリーに対応しています。リノベーションする場合は、それらが参考になると思います。このような費用も、老後資金の予算に入れてほしい費用のひとつです。
 
ご両親が将来認知症などになる可能性も考えて、今から「今後のご両親の生活を一緒に考える」環境を作って、コミュニケーションをとっておくことが大事だと考えます。ぜひ本記事を参考に、ご両親の今後の生活設計について一緒に考えてみてください。きっと、ご両親も安心するでしょう。
 
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

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