年金の繰上げ受給の減額率はどれくらい? メリットとデメリットを教えて!
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月18日 10時50分
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定年退職が近くなると、年金の受給時期を考え始める方も多いのではないでしょうか。年金の受給開始年齢は自分で決められますが、ひと月に受け取る金額の計算が必要です。 本記事では、年金の繰上げ受給が長期的に見てどれだけ減額されているのか、具体的な計算例を用いて解説します。また生活費や健康状態などの個人的要素を考慮した受給戦略について、検討すべき内容も提案します。受給時期を決める参考にしてみてください。
年金の繰上げ受給とは
老齢基礎年金・老齢厚生年金は、原則として65歳から受け取れます。しかし、早めに年金を受け取りたい場合は、希望すれば60歳から65歳になるまでの間に繰り上げて受給することが可能です。
繰上げ受給をすると、請求した時期に応じて年金は減額され、その減額率が一生続きます。また年金には老齢基礎年金と老齢厚生年金の2種類がありますが、繰上げ請求は片方のみではなく同時に行わなければなりません。
繰上げ受給をするのであれば、65歳までの受給を希望する時期に別途手続きが必要です。年金の減額率は繰上げ受給の手続きを行った時点で決定するため、手続きの時期に注意しなければなりません。
年金の繰り上げによる減額はどのくらい?
年金の繰り上げによる減額が具体的にどのくらいなのか、計算してみましょう。減額率の計算式は決まっており、「減額率(最大24%)=0.4%×繰上げ請求月から65歳に達する日の前月までの月数」で算出されます。
老齢基礎年金の額および老齢厚生年金の額に減額率を乗じることで、繰り上げにより減額される年金額が分かります。減額率は、通常ひと月あたり0.4%ですが、日本年金機構によると、「昭和37年4月1日以前生まれの方の減額率は、0.5%(最大30%)」です。
具体的な例として、最も早く受給できる60歳0ヶ月から受給を開始した場合の減額率を見てみます。ひと月の減額率0.4%の方が60歳0ヶ月から年金を受給した場合、減額率は24.0%です。
また、ひと月の減額率0.5%の方が60歳0ヶ月から受給した場合、減額率は30.0%となります。いずれも最大の減額率となり、65歳よりも早くから支給されるものの、ひと月あたりの年金額は少なくなる計算です。
年金の繰上げ受給のメリット・デメリット
年金を繰り上げて受給することで、メリットとデメリットがそれぞれあります。
メリットは、通常の受給開始年齢である65歳よりも早く受け取れる点です。60歳からの収支が赤字となる方や何かしらの理由で働けず生活費が不足している方は、繰上げ受給を行うかどうか検討してもよいでしょう。
しかし、早くから受給してしまうと年金は大きく減額され、そのまま変わることはありません。繰上げ受給を請求したあとは取り消せず、一生続く点がデメリットです。
年金の繰上げ受給は、メリットとデメリットを踏まえ、後悔のないよう自分に適した時期であるかを慎重に検討するようにしましょう。
いつから受給する方がお得なのか?
年金の減額・増額率を考慮すると、可能な限り繰下げ受給を行った方がひと月あたりに受け取れる金額は多くお得になると考えられます。
60歳から繰上げ受給を開始したとしても、約20年後には本来の65歳から受給を開始した場合と同じ受給総額となります。それ以降は、長生きして受給を続ける限り、65歳以降に受給を開始した方が得をする考え方です。
60代で定年を迎えたあと、再雇用制度を利用して働くという選択肢もあります。60歳を超えてからも働けば、年金受給額も増えることになります。将来の総受給額のみを考えて受給開始時期を決めるよりも、老後の生活費の状況や健康状態を考慮して判断する方がよいでしょう。
年金の受給制度を理解して自分に合った開始年齢を決めよう
年金の受給開始年齢に正解はなく、自分に合った受給時期を見極めることが大切です。老後の人生設計をしっかりと立てることで、退職したあとも長いシニアライフを安心して過ごせます。
繰上げ受給制度について正しく理解し、自分の生活を支えるものの一部として生かしましょう。
出典
日本年金機構 年金の繰上げ受給
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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