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終業後にコーヒーを飲んでから「タイムカード」を押すのはアリ?この時間も「残業代」は支払われる?

ファイナンシャルフィールド / 2024年6月19日 5時40分

終業後にコーヒーを飲んでから「タイムカード」を押すのはアリ?この時間も「残業代」は支払われる?

終業後に、コーヒーを飲んだり雑談をしたりしてからタイムカードを押すことを習慣にする従業員を見かけることがあります。   そこで疑問に思うことは「居残りをしている時間も残業代は支払われるのか?」です。終業後直ちにタイムカードを押さない従業員が多いと、人件費がかさんでしまうのではないかと思う方もいらっしゃるでしょう。   今回は、終業後にコーヒーを飲むなど、業務とは無関係のことをしてからタイムカードを押す場合に、残業代は発生するかについて調べてみました。   労働時間を正しくマネジメントするために会社ができることについてもご紹介しますので、参考にしてください。

タイムカードで管理する「労働時間」とは?

会社は従業員に対して、労働の対価として賃金を支払います。労働基準法では、労働時間や休日などについて規定を設けているため、会社は労働時間を適正に把握しなければなりません。
 
そのための一つの手段として、タイムカードを導入している所もあります。
 
厚生労働省が公表している「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」によると、タイムカードで管理する「労働時間」についての説明は以下の通りです。
 
「労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たる。」
 
以下のような時間も労働時間とみなされ、賃金が発生します。


・着替えなど就業を命じられた業務に必要な準備を行う時間
・手待ち時間
・研修や業務に必要な学習を行う時間

労働時間には限度が定められていて、労働基準法では1日8時間、1週40時間を法定労働時間としています。時間外労働に関しては、通常の賃金の25%以上を割増賃金として支払わなければならないようです。
 

終業後にコーヒーを飲んだり雑談したりしてからタイムカードを打刻……。残業時間になる?

従業員の中には、終業後にコーヒーを飲んだり雑談したりしてからタイムカードを打刻する習慣のある人もいるようです。終業後の居残り時間が長ければ、時間外労働が発生し、会社は無駄な残業代を支払わなければなりません。
 
しかし「コーヒーを飲む」「雑談をする」「帰りの電車やバスを待つ」など、業務とは関係のない時間に対して、残業代を支払う必要があるのか疑問に思う方もいるでしょう。
 
上記の例は、厳密には労働時間に該当しませんが、それでもタイムカードで打刻された時間を労働時間とみなす傾向にあるようです。
 
例えば、勤務時間後も会社に残ってパソコンゲームに熱中したり、事務所を離れて仕事をしていなかったりした時間が相当あると伺われることが認められた事案において、全額ではないものの、残業代の支払いが命じられた裁判例があります。
 
その理由は、労働基準法では使用者が労働者の労働時間を管理する義務を負っているためです。判例では、「その管理をタイムカードで行っていたのであるから,そのタイムカードに打刻された時間の範囲内は,仕事に当てられたものと事実上推定されるというべきである」と説明しています。
 

労働時間を正しくマネジメントするために会社ができること

労働時間を正しくマネジメントするために、タイムカードの打刻に関して、従業員に徹底した指導を行う必要があるでしょう。タイムカードの基本は、労働開始のできるだけ直前に出社の打刻を行い、終業後はできるだけ直後に退社の打刻を行うことです。
 
始業時間・終業時間ともに、タイムカードの打刻時間と実際の労働時間に相違があると認められる場合は、該当者に事情を確認し、改善を求めましょう。ほかにも対策として、時間外労働については事前の許可制にしたり、固定残業代制の導入でカバーしたりする会社もあるようです。
 

基本的にタイムカードの打刻時間が労働時間とみなされる! 会社側はマネジメントが必要

タイムカードで労働時間を管理している場合は、基本的に打刻された時間が労働時間とみなされます。
 
終業後に1杯コーヒーを飲んでからタイムカードを打刻する同僚がいる場合、その時間も残業代が支払われていると考えられるでしょう。
 
始業・終業時間とタイムカードの打刻時間に相違がある場合は、打刻のタイミングについて指導を徹底するなど、会社側でしっかりとマネジメントをする必要があるでしょう。
 

出典

厚生労働省 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン
裁判所 裁判例検索 平成19(ワ)1560 不当解雇損害賠償等請求事件(通称 京電工諭旨解雇)2 割増賃金の請求について(23ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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